実践トレーディング講座(1)-1
トレーディング講座を始めるにあたって
本講座はトップページに書いた「トレーディング哲学」をより詳しく、よりわかり易くお話しするのがその主旨です。1975年から相場の世界に足を踏み入れ、以後いろいろな金融機関のトレーディング部門を経て、現在、自前に売買システムで資産の運用に携わっております。
さて、これから講座で「儲かるトレーディング」を基本テーマに皆さんといっしょに考えていきたいと思っております。
実践システムトレーディング
実践システムトレーディング(1)
システムトレーディングの勧め
この講座を勧めるにあったって、先ず結論から申し上げることにしよう。為替のみならず相場で勝つためには、確固たるシステムの構築(自分で作ってもいいし、適当なものがあれば買ってもよいが)が最も肝要である。このことをよく頭に入れて今後の勉強を進めていきたいと思います。もうひとつ、この議論を進めていく上でお判りに難い点が多々出てくるものと思われますのでご質問等があればメールを頂ければできる限りお答え申し上げますのでご遠慮なく。
トレーディングのスタイルは大きく分けて2通りあります。(1)DiscretionalTrading (2)SystemTrading の2つであります。(1)は、新聞、雑誌、テレビ等の様々なメディアからの情報収集、自ら(時には他人の)経験、勘による総合的な判断によって売り買いを決定する。(2)は、チャート分析を基に売買を自動化(システム化)する。相場に対する基本認識としてチャートの形、動きが全てを語ってくれる。実際には、この(1)(2)をミックスしてトレーディングをなさっている方が大半である。
皆さんは、どのようにトレーディングをなされていらっしゃいますか?極論ですが相場の見通しなんて当たらなくてもトレーディングの仕方がしっかりしていれば相場というのは儲かるものです。
(1)のディスクレショナル トレーディング(以下DT) とは新聞、雑誌、テレビ等、様々なメディアからの情報に経験、勘といったものを加味して総合的に売買の判断を下す、というトレーディングの仕方です。相場というのは、何でも(魚でも野菜でも)最終的には需要と供給のバランスの結果です。この需要と供給が完全に把握できれば相場がわかったことになります。
皆さん、一人の人間は、どのくらいの情報を収集できるものでしょうか?仮にできたとして、その情報の相場に対する意味を正確に理解できるものでしょうか?答えは「ノー」です。具体的にお話しましょう。今、日本の経常収支が発表され大幅の黒字が計上されました。これだけなら明らかに円が上昇することを意味します。しかし、輸出業者は契約が成立した時点ですでにヘッジをしてるかも知れませんし、していないかも知れません。輸入業者はどうでしょうか?機関投資家はどのような対応をするのでしょうか、またはしているのでしょうか?いろいろな要素が複雑に絡み合ってきます。これらを全て掌握するのは無論不可能です。不完全な情報からの推論は決してよい結果を生みません。(次回は「経験」、「勘」についてお話します。)
(to be continued)
実践システムトレーディング(2)
「経験」、「勘」は、ほんとうに信頼できるか?
厳密な意味では「経験」と「勘」は違いますがマーケットではほとんど同じような意味で使われている場合が多いので一つにしました。それでは、「経験」、「勘」とは何でしょうか?一般論としては、何事かに直接ぶつかり、そこから得た技能、知識、直感(広辞苑)ということになりましょうか。長い経験、鋭い勘、私たちの耳には心地よく響きますね。問題は、その運用です。どこでポジションメークするのか?利食いは?損切りは?勝率は?予想される最大の損失は?等など相場を張る為にはポジションをマネージする為のいろいろな問題に答えなくてはなりません。新しい事業を起こす為にはマーケットリサーチが必要であり、費用はどのくらいか、製品はいくらくらいで売れば利益が出るのか、等いろいろなデータをもとにしてシミレーションをおこなって初めて新規事業を開始します。「経験」、「勘」というものは非常に曖昧で海図のない航海に似ています。これでは、安定的な収益を生み出すのは無理といえます。実際問題として、大半の人たちは、自分が経験、勘をもっているという幻想をいただいていると言っても過言ではありません。
経験や勘は検証できなければ意味はありません。
(to be continued)
実践システムトレーディング(3)
相場心理学・・・不安と葛藤
ディスクレショナル トレーディング(以下DT)の最大の弱点は、定性的、定量的に評価することが出来ない、という点です。相場を張る場合、知っておかなければいけないことがいくつか有ります。
1)ポジションを作るという決断の為の基準は何か?
2)どこで利食いを入れるか? どこで損切るか?
3)どのくらいの確率で勝てるのか?
4)予想される最大の損失は?
5)予想される利回りは?
等々、最小限このくらいの数字がわからなければなりません。わからないとどんなことが起きるでしょうか。不安という感情です。ちょっと手前味噌になりますが、システムトレーディングを志向する私にとっては、まるで闇夜の烏に向かって鉄砲を撃っているという感じで、とても相場を張る気分にはなりません。この「不安」という感情はとても厄介な代物であなたのトレーディングにいろいろな悪影響をもたらします。次回はこの「不安」という感情の分析です。
(to be continued)
実践システムトレーディング(4)
心理的不安の克服
前回、相場を張るにあたって最低限知っておかなければならない基本の数字、要素をお話しました(以後、これらを相場の基本原則と呼びます)。では、この相場の基本原則なしでポジション操作をおこなうとどのようなことが起きるでしょうか。相場を張る上での最大の敵である「不安」というやっかいな感情が心に巣くうことになります。売るか買うかの判断は新聞記事や周囲の人たちの意見に左右され、一度ポジションを作ると今度は損失の恐怖に怯えることになります。自分のポジションの方向とは逆の情報に接すると精神的葛藤に悩みます。これらを避ける為に無意識のうちに 1)自分に都合のいいようなことばかりを探そうとし、2)受け取った情報を自分のいいように解釈する、3)自分に都合の悪い情報を避けようとする。この心の動きが、いろいろなところで私達の判断力を歪める結果となります。システムトレーディングの最大の利点は、情報の洪水、損失に対する恐怖等に起因する自らのポジションの「合理化」を極力排除できる点にあります。よいシステムは、あなたの心と身体と財布を守ります。
(to be continued)
実践システムトレーディング(5)
システムトレーディングの基本
システムトレーディングの基本はチャート分析です。全ての情報は、相場自体の動きに包含されるという基本認識がその根底にありますので、相場自体の動き、つまりチャートを分析すれば相場の流れを掴むことができるということです。「正しい相場分析はニュースを呼び込む」、正しい方向でポジションを張っていると自分のポジションに有利なニュース、出来事が起こってくれると言う意味ですが、私の経験則からの自製の格言(ちょっとオーバーですが)です。
例えば、米国の経常収支の赤字幅が急速に拡大しているという状況を考えてください。日本の企業で深く貿易取引に関わっている商社、自動車、家電、石油会社といった大手企業は、会社としての為替リスク回避のため輸出入取引が成立した時点でなんらかのヘッジ取引を行うのが普通です。ニュースとしてこの事実が公表されるのは数ヶ月あとですが、この商取引の当事者は(この当事者の相場観を別にすれば)取引の確定した時点でドルを売るわけですから「米国、X月の経常収支の赤字大幅拡大」のニュースが出る以前にチャートはドルが下がるというサインを出していると考えたほうが合理的です。「正しい相場分析はニュースを呼び込む」は、マジックでも何でもありません。論理的思考の当然の帰結といっていいと思います。
(to be continued)
実践システムトレーディング(6)
為替取引の主体=ポジションの種類
話の筋道からするとちょっと寄り道ですが、マーケットをよりいっそう理解する為に為替取引きの主体(基になる商取引)の簡単な分析をしてみたいと思います。
1)経常取引・・・所謂、貿易為替です。輸出、輸入、及び取引に係わる保険等が含まれます。輸出では自動車、電機、精密機械等がその代表的な業種ですが、80年代半ばからの円高トレンドで打撃を被ったが為替レートの変動による損益のぶれを回避すべく生産機能の海外移転等で体力を回復(他の問題はいろいろあるが)、以前ほど輸出為替偏重ではない。取引の性格上、ポジションは一年以内の短期取引である。
2)資本取引・・・機関投資家、個人投資家による外債、外株投資(円売り)、及びそのヘッジ(円買い)。企業の直接投資やM&Aに係わる取引。1)に比べポジションは長期にわたり、量的にも経常取引を超える。機関投資家は80年代初めからの円安で大きな利益を得たがその後の円高でそれ以上の為替差損を被り、体力の低下もあってヘッジの比率を高めている。
3)投機取引・・・ヘッジファンドや銀行、証券会社による自己勘定による取引。純粋に相場の行方だけでポジションを張る。基本的には売ったら買い、買ったら売るので相場へのインパクトは小さいが、1)、2)の大きなフォローがあると無視できない力となる。
(to be continued)
実践システムトレーディング(7)
チャート分析=テクニカル分析
テクニカル分析の手法として大きく分けて二通りに分けられます。1)相場の推移を定
量的な指標(数値)に置き換えて、単独、又はその組み合わせを使って相場のトレンドを決定する。その代表的な手法に、移動平均、RSIなどがあります。2)相場の動きをパターン化することによってトレンドを読む。トレンドライン、ヘッドアンドショルダー、フラッグ等があげられる。それと、私は、これが一番有効であると思うのですが、この1)と、2)のコンビネーション。一目均衡表、エリオット波動理論がその代表格である。
例えば、システムトレーディングの代表格である移動平均であるが、トレンドフォロー型である為に相場に入るのが遅れがちになる、または止めるのが遅れることがよくあるが。パターンを組み合わせることによって、この欠点を補うことができるようになる。様々な分析手法が存在するわけだが、夫々に長所、短所があり、実際の相場に当てはめてテストする必要があろう。
(to be continued)
実践システムトレーディング(8)
移動平均線(1)
前回は代表的な分析手法を紹介しましたが、今週からは個々の分析手法の特徴、長所短所を見ていこうと思います。
先ず最初に、一番ポピュラーで皆さんもよく耳にする移動平均についてです。移動平均は、非常に簡単に作れシグナルとして売り買いがはっきり出てくるところに特徴があります。終値を使うのが一般的で、例えば5日の移動平均は、過去5日間の終値を5で割ればよい。これを毎日作っていくと5日の移動平均線ができあがる。トレーディングに使う場合は、2本(1本は短期、1本は中期又は長期)の移動平均線を使って、短期線が中長期線を下から上に切った場合は買いシグナル、上から下に切った場合は売りシグナルとなる。1本、又は3本の平均線を使う方法もあるが、私の研究では2本の、終値の単純平均がもっとも成績がよい。移動平均というと単純すぎてポピュラーすぎて馬鹿にされる方がよくいらっしゃるが、私はそうは思いません。寧ろ、手に入りやすく、作りやすく、尚且つ有効な指標の一つだと考えております。次週はもう少し詳しくこの移動平均法を見ていきたいと思います。
(to be continued)
実践システムトレーディング(9)
移動平均線(2)
先週、移動平均では、短期と中期(又は長期)の2本の線(終値、単純平均)を使うのが効率的であると述べましたが、今週は、これらの線が具体的にどのような成績をもたらすかみて見ようと思います。よく使われる日数は、5,7、10、14,21,90、200で、この組み合わせでパフォーマンスを見ていきましょう。限られた紙面ですので全部を組み合わせるのは難しいので、5日+10日と7日+14日の組み合わせで検証していきます。ドル円で過去10年のデータを使います。
利食い幅 損切り幅 結果
5日+10日 10円 1円 55.70円
7円 0.80円 82.00円
5円 2.00円 -6.20円
7日+14日 10円 2.70円 47.50円
7円 1.00円 -16.40円
5円 2.00円 8.00円
以上の結果になりました。一番いい結果は、5日+10日を使って利食い幅=7円、損切り幅=80銭ということになります。(例えば、120円丁度でドルを売った場合、113円を利食いのターゲットに、120円80銭を損切りとする)この方式で過去十年間の成績が82.00円、10万ドルのポジションで相場を張ったと仮定すると8千2百万円の儲けです。あくまで過去のテストの結果ですが、何も考えずにやるよりはずっとましだと思いませんか。
(to be continued)
実践システムトレーディング(10)
移動平均線(3)
さて前回は、2本の移動平均線で具体的にパフォーマンスを見てみましたが、より良いパフォーマンスを得る為に別の条件を加えることがよくあります。
その例として
・単純に2本の線が交差するのではなく、ある一定幅以上、上抜け(あるいは下抜け)
を要求する。
・交差したあと、2本の線の傾斜が同時に上向き(あるいは下向き)まで待つ。
・単純に、交差したら2−3日待つ。
・日々の実体腺が移動平均線を越える(あるいは下回る)。
他にもいろいろな条件が考えられる。ただ、一ついえることは条件のハードルを低くすると「だまし」に引っかかり易いし、高すぎると相場に乗り遅れる危険が生じるということである。あるいは、まったく別のテクニカル手法を絡ませるという方法もあるだろう。ポイントアンドフィギュアは、チャートブレイクのパターンを確認するのによく使われるが、これと移動平均線の交差を組み合わせるとことも考えられるであろう。
(to be continued)
実践システムトレーディング(11)
トレンド(1)
テクニカルトレーダーにとってトレンドの概念は必須のものである。テクニカルトレーダーが使うツールはほとんどがトレンドを分析し、これに乗ることを目的としている。トレンドには三通りあって、上昇トレンド、下降トレンド、横ばいトレンド(所謂、レンジ相場)である。相場の動きはけっして一直線ではなく、ジグザクに動き、山(レジスタンス)、谷(サポート)で構成される。上昇トレンドは、前回の山を越えて上昇し、次にくる谷は前回の谷(又は山)を下回ることはない。下降トレンドはその逆で、谷が、前回の谷を下回って形成される。横ばいトレンドは、山や谷が前回と同じようなレベルに形成され、ある一定期間繰り返されることをいう。テクニカルトレーダーが一番頭を悩まされるのが、この横ばいトレンドである。トレンドがないところにトレンドを追う為、往々にして、山に近いところで買い、谷に近いところで損切ることになる。この横ばいトレンドを如何に切り抜けるかが、よいシステムかどうかの分かれ道と言っても過言ではない。
トレーダーには、三つの選択肢がある。売る、買う、休むだが、横ばいトレンドでは休むが正解なのは明らか。問題はいつトレンドが始まるかがわからない為、上昇してくると上昇トレンドが始まるのではと買い、下がってくると売るわけで、この間のジレンマたるやたいへんなものである。横ばいトレンドをシステムに組み入れ「休み」のサインが出るようにシステムをより精緻にすること(言うのは容易いがこれが相当に難しい)が理想だが、それでもある程度の損失は免れない。私の考え方は、この間の損失は、次のトレンドに乗り遅れない為のコストと割り切ることにしている。
(to be continued)
実践システムトレーディング(12)
トレンド(2)
テクニカル分析においてトレンドは視覚的に決定できる。山と谷で構成される相場の動きのなかで、谷の部分を直線で結んだ時、右上がりの線が引け同時に山の部分も同じように右上がりになっている場合、上昇トレンドと言う。時間の経過と共に新たな山や谷が出てくるが山や谷は不思議なことに概ねこの直線上に乗ってくる。この直線をトレンドラインと呼ぶ。新たな谷が、この上昇トレンドラインを大きく割り込んだときには、そのトレンドが終わった可能性が高くトレンドを再検討するべきである。下降トレンドの場合は、山と山を結ぶ直線を描いてそのトレンドを決定する。時に、山と山を結ぶ直線の方向と谷と谷を結ぶ直線の方向が逆になり将来のある時点で交差することがあるが、これをフラッグ(旗のような図形になるから)と呼び、交差点に近づくにつれどちらかの方向にトレンドが出る可能性が高くなる。
具体例をあげると、2000年初めからのドル円の週足チャート(お手元になければインターネットで検索すればどこかにあります)を見てみよう。年初、102-103円でスタート後、11月半ばまできれいなフラッグフォーメイションを作り上にブレイク、108-109円近辺から翌年4月には126円台まで上昇している。02年の3月から上昇し始めたユーロドル、同年の年初からのユーロ円の上げなどもその一例で、かなり効果的なトレーディングサインと言える。ここでは、全て週足ベースのチャートを使ったが日足ベースでも同じことが当てはまる。皆さんも、ご自分でチャートを作るなり、どこからか調達して検証してみてください。
(to be continued)
実践システムトレーディング(13)
トレンド(3) =心理学的考察
今週は、相場の動きを人間の心の動きから考察してみたいと思います。いま相場が、サポートポイントでもみ合った後に上昇し始めた、あるいはフラッグフォーメイションをきれいに上抜けしたと仮定します。市場の参加者は以下の4種類に分けることができます。
1)幸せな人・・・既にどこかで買っている人
2)普通の人・・・まだポジションを持ってない人、トレンドが出るのを待っていた人
3)不幸な人・・・せっかく買っていたのにトレンドが出る前に売ってしまった人
4)最悪な人・・・トレンドが出る直前に売り持ちにしてしまった人
夫々の心の動きを分析すると・・・・
1)幸せな気分、せっかくトレンドが出たのだからまだ利食うのは早すぎる。むしろ、買
い増しのチャンスをうかがう。
2)待ちに待ったトレンドだ、さあどこで買うべきか。
3)悔しい、悔しい気分、「俺の相場観は正しかったのに・・・」。呆然とするも「でも
損したわけではない」と、ふんどしを締め直して買い場探し。
4)尻に火がついた。早く損切りして買いポジションにしなければ。
概ねこんなところではないでしょうか。こう考えると一人として売りたい人はいなくなります。実際のマーケットはもっと複雑ですが、売る人がかなり少ないのは事実です。買いのトレンドが出たから買う、これがマーケットです。あとから、いろいろゴタクを並べる人は多いですが。
(to be continued)
実践システムトレーディング(14)
数の不思議(1)
テクニカル分析ではよくいろいろな数を基にして議論を始めます。市場では公認と言ってもよい数字があります。例えば、「半値戻し(50%)」、「移動平均線の5、10,20,200日線」、「一目均衡表の9,26,52」等々です。今回の「数の不思議」では、常識と言われる数字が本当に効果的な物なのかを検証してみたいと思います。 先ずは「半値戻し」・・・上昇(又は下降)トレンドの山と谷をこなしていく過程でトレンド方向に逆行する場合、どの程度の戻しがトレンドを継続していく上で許容されるかという問題です。谷の深さ、山の高さの許容範囲です。一般的には、上昇トレンドでは前回の谷から山の高さの割合で議論されます(下降トレンドでは山から谷)。仮に、前回の谷が115円、山が120円とすると幅は5円です。市場でよく言われるのは1/3(33%)、1/2(50%)、2/3(66%)です。この場合に当てはめると、それぞれ、118.33、117.50、116.67となります。116.67を下回ると上昇トレンドに警戒警報が発令されます。結論を申し上げますと、この「数字」は当てにして良いと思います。チャートをチェックしていただくとお判りになりますが、上昇トレンドでの谷の深さは凡そこの数字に当てはまります。
(to be continued)
実践システムトレーディング(15)
数の不思議(2)
今日は、数の不思議其の二として移動平均でよく使われる「5,10,20,25,75,200」です。SuperGokuh実践為替講座(10)で(5,10)の組み合わせを試してみましたが、同じ組み合わせでも利食いと損切りをどうするかによって成績に大きな違いが出てきます(もう一度確認してみてください)。この点がシステムトレーディングの最も重要な点です。ポジションをつくった後のマネージメントこそがパフォーマンスの良し悪しを決めると言っても過言ではありません。
次にそれぞれの成績を見ていきます。移動平均をシステムに使う場合は有名なグランビルの8法則というのがあるのですが、これは成績の判定がかなり複雑になりますので、ここでは簡略化して単純に短期線が中期線(又は長期線)を上から下に切るときを売りサイン、下から上に抜ける時を買いサインとします。
利食い幅 損切り幅 結果
5日+10日 10円 1.00円 64.10円
5円 1.00円 52.20円
3円 1.00円 26.10円
5日+20日 10円 1.00円 31.70円
5円 1.00円 12.80円
3円 1.00円 20.10円
5日+25日 10円 1.00円 48.30円
5円 1.00円 40.60円
3円 1.00円 29.90円
10日+25日 10円 1.00円 47.40円
5円 1.00円 32.10円
3円 1.00円 47.40円
以上の結果となりました。5日+10日(10円+1円)の組み合わせがベストの成績をたたき出しました。結論から申し上げますと「5,10,20,25,75,200」の組み合わせは為替に限って言えばよい組み合わせではありません。いろいろ検証してみましたがベストの組み合わせは通貨によって異なり、成績も上記の組み合わせと比較する
と格段の相違となっております。
(to be continued)
実践システムトレーディング(16)
一目均衡表(1)
チャート研究家一目山人の考案による一目均衡表は、氏の永年の研究の末得た基本数値を基に、特異な形状のチャートを特徴としている。また、パソコン等でも(手でも)比較的簡単に作図できるところから一般化し、その信奉者も多い。近年個人投資家のみならず機関投資家、一部外国人にも注目されている。私自信も、システムの構築に、大いに勉強させてもらっている。
チャートの基本は、基準線、転換線、遅行スパンと先行スパンで、特に先行スパンは、現在の相場に先行して描かれ、近未来の相場の変動予測の一助としている点は他のチャートに見られないユニークなものである。あまりご存知ない方のために、簡単に個々の基本線の説明をすると・・・・
1)基準線・・過去26日間の高値と安値の中間値
2)転換線・・1)と同様に過去9日間の高値と安値の中間値
3)遅行線・・当日の終値を26日遡ってプロット
4)先行スパン
上限・・基準線と転換線の中間値を26日先行させてプロット
下限・・過去52日間の高値と安値の中間値を26日先行させてプロット
雲・・上限,下限の2つの先行させた線の間を塗りつぶしたもの、塗った形の
形状が雲に見えるところから雲と呼ばれる
それぞれの線の値の計算は非常に簡単であり皆さんもご自分で作って見るか、インターネット上で親切に作られているものもありますので参考になさるといいと思います。
次回は、また為替に当てはめ検証してみましょう。
(to be continued)
実践システムトレーディング(17)
一目均衡表(2)
さて、一応の一目均衡表の説明が済んだところで、また過去10年のドル円のチャート
で検証してみることにする。
比較的わかり易い売買のシグナルとして、
1)基準線と転換線の交差、移動平均線の場合と似ているが転換線が基準線を下から上にクロスした時を買いシグナル、上から下にクロスした時を売りシグナルとする。
2)遅行線を使って、当日の終値が26日前の終値(いろいろな値と比較できるが、ここではわかり易く終値とした)を上回った時を買いシグナル、下回った時を売りシグナルとする。
以上の2つが考えられるが今日は、あまり検証されていない2)の方を見ていきます。
バックテストをして最適な利食いと損切りを求めると、利食い=3.20円、損切り=3.00円で、トータルの損益は、プラス 102.50円でした。次のテストでは、比べる対象としている(26)という数字に焦点を当てみました。1日ー50日までテストしてみましたがこの売買システム上の最適な数字は(18)でした。つまり当日の終値と18日前の終値を比較して最適な利食いと損切りを求めると、利食い=3.30円、損切り=3.20円で、トータルの損益は、プラス 140.00円でした。最終損益がずいぶん違ってきますね。普通の一目均衡表の解説書では(26)をそのまま使っていますがこれでは良いパフォーマンスが出るとはかぎらないわけです。検証して自分で納得することが大切です。
(to be continued)
実践システムトレーディング(18)
一目均衡表(3)
今週は、先週お話した 1)基準線と転換線の交差、移動平均線の場合と似ているが転換線が基準線を下から上にクロスした時を買いシグナル、上から下にクロスした時を売りシグナルとする。を検証してみたいと思います。
バックテストをして最適な利食いと損切りを求めると、利食い=4.30円、損切り=3.90円で、トータルの損益は、プラス 98.60円でした。2)と比較するとだいぶ落ちますね。そこで売り買い別々に最適な利食いと損切りを求めてみました。
売り・・利食い 11.20円 損切り 1.50円
買い・・利食い 9.30円 損切り 3.70円
トータル損益は 134.87円 でした。売り買いをいっしょにした時と比べて利食いも損切りも数字がずいぶん変わってきます。もちろんトータル損益も大幅によくなりました。勝率も50%を超えています。これでしたら使ってみるのも面白いですね。
(to be continued)
実践システムトレーディング(19)
一目均衡表(4)
今週は雲の使い方について、お話しします。もう一度「雲」=先行スパンの確認です。
先行スパン
上限・・基準線と転換線の中間値を26日先行させてプロット
下限・・過去52日間の高値と安値の中間値を26日先行させてプロット
雲・・上限,下限の2つの先行させた線の間を塗りつぶしたもの、塗った形の
形状が雲に見えるところから雲と呼ばれる。
この先行スパンという考え方は、過去の相場の動きを基に、現在の相場の位置、将来の動きを視覚的に予測、又は予測の一助とするという、他のチャートにはみられない「一目均衡表」特有のものです。基本的な考え方としては、雲を形成する全ての要素を「抵抗線(帯)」又は「支持線(帯)」と認識します。相場が雲の上にあると上昇局面、下にあると下降局面となり、この両極面が26日間先行させて描かれた雲にどう関わってくるかで将来の相場を予測することになります。相場が雲の上にあるが、少しずつ下がり近い将来雲とぶつかりそうになる場合を想定してみましょう。ここでは、このまま下がり続けるのか、リバウンドしてもう一度上昇気流に乗るのかが問題になってきます。下がる為の第一ハードル(支持線)が雲の上限となり、ここ下の抜けるかどうか?第二ハードルは雲全体(支持帯)となり、最後の関門が雲の下限となり、ここを抜けて初めて下げ局面となる。実際には、雲に加えて、遅行線、基準線、転換線等との関係から総合的に判断するのが望ましいと考えられます。
(to be continued)
実践システムトレーディング(20)
一目均衡表(5)
一般に「一目均衡表」というと、その特徴的なチャートの形だけを論議しがちですが、他にも重要な部分があります。「値幅観測法」といわれ、今までの相場の動きをもとに将来のプライスを予測するものです。これによって、相場の中で一番難しいとされる「利食い」のおおよその目途を立てるわけです。計算方法は大きく分けて4種類、V計算値、N計算値、E計算値、NT計算値。今、相場が上昇局面にあると仮定してそれぞれを説明していきます(下降局面はその逆とお考えください)。前回の谷をA(ドル円=120円)、前回の山をB(123円)、今回の谷をC(122円)として今回の山がどのくらいになるかを計算します。
V計算値 = B+(B−C)=124円
N計算値 = C+(B−A)=125円
E計算値 = B+(B−A)=126円
NT計算値 = C+(C−A)=124円
以上のようになります。どの計算値をどの場面で使うかは明確ではありませんが、いろいろ当てはめて大体の目安をつけてみるという感じでいいと思います。目安が見つかるだけでも役に立つと思います。
(to be continued)
実践システムトレーディング(21)
一目均衡表(6)
今日のテーマは時間(日柄)です。一目均衡表の基本は、先ずチャートの形を分析し相場の流れ、転換点を模索する。流れが決まったら、「値幅観測法」で目標値を設定、今日のテーマである日柄との関連で次の転換点を探る。簡単に言えばこのような流れであると考えています。日柄を計測するための数値が基本数値であり、「単純基本数値」と「複合基本数値」に分けられます。「単純基本数値」は一目山人氏が永年の研究の末到達した「一目均衡表」のエッセンスともいえるもので、特徴あるチャートを作成する時にも使われている「9」「17」「26」がこれにあたります。それぞれが独立した価値をもつものとされ相場のサイクルを表しています。「複合基本数値」は基本数値の組み合わせで「33」「42」「52」「65」「76」「129」「172」「226」等になります。
相場の流れがはっきりとした時点で、出発点から「値幅観測法」で目標値を決め「基本数値」を使ってその目標値がいつ頃(日柄)達成されるかを見ていきます。「相場の流れがはっきりとした時点」は残念ながら相場は既に始まってしまっているのですが、底値で買ったり、天井で売れたりすることは不可能なのですから気にせずアタックしてみてください。日柄と目標値がおおよそ掴めていれば、その後の戦略がかなり有利になるはずです。
(to be continued)
実践システムトレーディング(22)
一目均衡表(7)
前回、日柄計測の為の基本とも言うべき「単純基本数値」についてふれましたが、今週は、これが為替市場でどの程度の意味を持つかをバックテストによって検証していきます。
先ず、10/28の本講座で使った基準線と転換線の交差による売買シグナルで、「9」「26」の有効性について見ていきたいと思います。例によってドル円の日足を使います。結果から申し上げると、過去10年のデータを使ったところベストの組み合わせは、売りも買いも「9」「26」とぴたり一致、驚きました。期間をもう少し短縮して5年間にし、ドル円だけでなくポンドドル、ドルスイス(ユーロドル、ユーロ円はまだデータが少なすぎる為省略)でみたのですが、「9」「26」にはならず「単純基本数値」風に言えば「6−8」「12−17」「24−36」となりました。「複合基本数値」を含めると近い数字と言えないこともないのですが、皆さんはどうお考えでしょうか?悪く言えばこれだけ数字を並べれ(「単純基本数値」プラス「複合基本数値」)ばどこであたるもので、評価が分かれるところでしょう。ご参考までにドル円のベストパフォーマンスは、売りが「8」「16」、買いが「17」「36」の組み合わせでした。
(to be continued)
実践システムトレーディング(23)
一目均衡表(8)
8回にわたり一目均衡表について述べてきましたが、今日はそのまとめです。
一目均衡表は、その形状と近い将来の予測の手段を視覚的に提供してくれるというきわめてユニークな特徴を持っています。先週は「悪く言えば、これだけ数字を並べればどこで当たる」などと悪口を言いましたが、コンピューターのない時代によくこれだけの分析おこない「単純基本数値」や「複合基本数値」を割り出したものだと感心させられることばかりです。時間的なサイクルを現在及び近い将来の相場予測に導入した点も優れた感覚の表れです。先行スパンは過去の相場推移を基に26日間先行させ近い将来の相場予測を助けるものであり、遅行スパンは過去の相場と現在の相場を比較して現在の相場の方向性を導き出すものです。よくマーケットでは、日柄、日柄と言われますが、これだけはっきりと、具体的に、システム化したものは他に類を見ないものです。
ローソク足と、5種類の補助線、基本数値、値幅観測法、様々な要素がぎっしりと詰まった「一目均衡表」。複雑なだけに、これを極めるにはかなりの努力と熟練が必要となりますが、是非がんばって勉強してください。必ずお役に立つはずです。
(to be continued)
実践システムトレーディング(24)
ちょっと一服
いつも「実践システムトレーディング」をご愛読いただきましてありがとうございます。今までいろいろなシステムを紹介しながら、私の相場哲学(システムトレーディング)を述べさせていただきましたが、お役に立ったでしょうか?
私のシステムも今年大幅な改良を加え徐々にではありますが良くなってきました。しか
し、まだ改良すべき点がいろいろあると云うのが現状です。最大の課題はレンジ相場を如何に乗り切るかです。システムトレーディングの場合、どのようなシステムを使うにしろ
ある程度流れが出てきてからシグナルが出るのでレンジ相場の局面では高値買いの安値売りになりがちで、当然、損益はマイナスとなります。レンジ相場でマイナスが出ても流れがはっきりした時にはプラスとなりますのでトータルでプラスが出ればレンジ相場のマイナスはコストと割り切ると云うのも一考ですが、レンジ相場が長期にわたった場合は、そうも言えなくなります。昨年の私のシステムがまさにその例でシグナルを公表し始めて初めてネットでマイナスという結果になってしまいました。昨年9月ごろからシステムの見直しを行い今年はまずまずのスタートとなりました。これからも皆様のご期待に応えるよう努力していく所存ですのでよろしくお付き合いいただければ幸甚です。
次回からは、為替をやっていく上での基礎知識みたいなものをお話しし行きたいと思っております。また、「こんなことが知りたい・・・」みたいなものがありましたらどうぞご遠慮なくメールをいただければと思っております。ご期待通りのお話ができるかどうか自信がありませんが精一杯がんばりますので宜しくお願いいたします。
実践システムトレーディング(25)
為替市場とは(1)
皆さん、為替市場とは、何処にあって、どのように機能してるんだろうって考えたことがありますか?今回から数回にわたって為替取引きの実際をわかり易く説明していこうと思います。
為替市場は株式市場と違って立会い場があるわけではありません。皆さんのインターネット取引、銀行窓口での海外旅行者の取引、輸出入取引、資本取引等さまざまな取引が通信回線を通して有機的につながり一つのマーケットを形成しています。地域、時間に関係なく世界中が一つになって取引がなされる巨大なマーケット、そこにはインサイダー取引の入る余地などない非常にフェアーなマーケットがあります。強いて株の立会い場に近いものを上げるとすれば為替ブローカーでしょう。相場が荒れたときによくテレビに映るあれです。現在でも為替ブローカーは存在しますが、ITの技術革新によりその機能はコンピューターベースのものに置き換えられています。世界中のプライスメーカー(相場を出す人)が同じブローカー画面を見ながら顧客に対して相場をクオート(出す)するので世界中のドル円の相場が一つになるわけです。
(to be continued)
実践システムトレーディング(26)
為替市場とは(2)
為替市場の全ての機能が一つに集約されているのが銀行のディーリングルームと云われる所です。ディーリングルームは為替市場の縮図であり、様々な取引が行われ瞬時に何が起きているのかわかるような仕組みになっています。ここでお断りしておきますが「瞬時に何が起きているのか」わかるということは「儲かる」と同義語ではありません。過去の例でもわかるように大きな損失を出した銀行、機関投資はいくらでもあります。
ディーリングルームは通常、顧客担当とインターバンクに分かれています。顧客担当者は顧客から注文を受けるとインターバンクにつなぎます。インターバンクは銀行間の取引市場で頻繁に取引をおこなっていて、インターバンクディーラーは注文を受けて銀行の売り(顧客の買い)ならば、なるべく安く、買いならなるべく高くその銀行間市場を使って注文をさばきサヤをとって銀行は利益を追求します。先週お話しした為替ブローカーも銀行間市場の構成員の一つです。インターバンクディーラーから受けた注文を他の銀行のディーリングルームにつないで取引のスムーズな成立に一役買うわけです。この仕組みは万国共通でニューヨークやロンドンでも同じ、主要なマーケットは高度な通信回線でつながれていますので世界中単一のマーケットが実現できるわけです。
(to be continued)
実践システムトレーディング(27)
為替市場とは(3)・・・為替市場の役者たち(1)
為替市場は、大きく分けてホールセールマーケットとリーテイルマーケットの二つです。リーテイルマーケットは貿易業者や機関投資家(最近は個人の為替取引も急増している)を中心とした実需や投機的取引を指し、ホールセールマーケットは銀行のディーリングルームや為替ブローカーを中心とした言わば市場のブローカー的機能をはたし、リーテイルマーケットの円滑な取引の成立を補完する役割を担っています。
為替レートは如何にして決まるか?野菜や魚の値段が需要と供給で決まるように、外貨も市場の需給で決定されます。豊作や豊漁、買い意欲の減退(供給過多)で価格が下がり、不作や不漁、買い意欲の増大で価格は上昇するのと同じ理屈です。為替市場を分析するとは為替市場の需給を分析することに他なりません。市場には時々刻々、様々なニュースが飛び込んできます。そのニュースが為替の需給にどう影響を与えるのかという視点で考えることが大切です。例えば、今「日本の貿易収支黒字、大幅増加」のニュースが流れたとします。貿易収支の黒字幅増加は外貨の供給が大幅増加することを意味していますから為替レートに対する影響はドル安円高であることは明らかです。相場を考える基本動作として、常に「お金の流れ」、「外貨の需給」に結び付けてニュースを読む力が必要です。
(to be continued)
実践システムトレーディング(28)
為替市場とは(4)・・・為替市場の役者たち(2)
リーテイルマーケットの主役の一人は輸出入業者と商社です。輸出では、自動車、電機、精密機械、輸入では石油、食品等が代表的な業種として挙げられるでしょう。例えば、自動車メーカーが対米輸出契約を取り結んだとすると、その時点で為替リスクが生じます。メーカーは為替レートを予測して、そのレートを基にコストを計算して売値を決定しますので、もしドルが大幅に下がると手取りの円金額が減少しひどい時にはコスト割れとなって損失を被ります。ドルが上がれば、その逆に為替差益として予想外の利益が生ずることになります。メーカーは不測の事態に備えて(ドルの下落)前もってドルを売ってリスクを軽減することをヘッジといいます。大きなメーカーは契約ごとにヘッジをするのではなく年間の輸出成約高を予想して、決まった割合をヘッジするすることによってリスクを軽減しているわけです。輸出メーカーのヘッジ売りは為替市場に対して大きなドル安円高要因として注目されています。輸入の場合はその逆で円高が彼らの利益となります。
円相場の歴史は大半が円高の歴史で、その都度輸出メーカーはたいへんな苦労をしてきましたので、為替リスクを軽減する為のいろいろな方策をとっています。ドルによる部品を輸入したり、ドル建ての債券を発行することによって(ドルの債務をつくる)ドルの債権のネットを減らしています。
(to be continued)
実践システムトレーディング(29)
為替市場とは(5)・・・為替市場の役者たち(3)
次の役者は主役中の主役、機関投資家です。70年代後半の為替の実需原則の撤廃から始まった為替の自由化は資本市場の活性化に大いに役立ち、自由な「お金」の流れは為替市場に多大な影響力を持つようになりました。国際収支の一部門に資本収支という項目がありますが、日本と日本国外との間の「お金(資本)」の出入りを表しています。
生命保険会社、損害保険会社、投資信託等が代表的な機関投資家で、ジョージ・ソロスで有名なヘッジファンドもこのジャンルに含まれます。生保や損保は加入者から保険料を徴収し、不慮の事故、死亡時に保険金を払うわけですが、その徴収した保険料を運用して配当金を支払わなければなりません。その運用の一環として外貨建て運用があります。運用対象は主に株や債券で、特に昨今の低金利では外貨建ての運用がいっそう重要になり、その巧拙が会社の業績を左右することになります。郵貯や簡保は公的機関ですが、生保や損保同様に外貨建ての運用をおこなっておりマーケットを動かす主役の一人です。
(to be continued)
実践システムトレーディング(30)
為替市場とは(6)・・・為替市場の役者たち(4)
代表的な機関投資家で、忘れてならないのが投資信託です。今、個人に大人気の外貨建てMMFはこのジャンルに入ります。運用対象によって様々な投資信託が設定されて、多くの資金を集めています。運用対象は、その目論見書に明記されており、国内外の株、債券が主な運用対象です。もちろんここでは外国ものに焦点を当ててお話しすると、為替の観点からはヘッジつきとヘッジなしに分けられます。ヘッジつきは、先物で対象外貨を売って為替リスクを小さくするわけですが、その分パフォーマンスが犠牲になります。ヘッジなしは、為替リスクは全て投資信託を買った人が負担することになりますが、パフォーマンスは100%享受できます。
機関投資家の為替市場での第一歩は当然、外貨を買うことから始まります。外貨の買いポジションと云う為替リスクが発生し、以前にもお話ししたリスクマネージメント=外貨建てのパフォーマンスを享受しながら為替リスクを最小限に抑えるという非常に難しい、しかし、巧くやれば外貨建てパフォーマンス+為替益という願ってもない結果を生み出すオペレーションです。
(to be continued)
続きはこちらです。
本講座はトップページに書いた「トレーディング哲学」をより詳しく、よりわかり易くお話しするのがその主旨です。1975年から相場の世界に足を踏み入れ、以後いろいろな金融機関のトレーディング部門を経て、現在、自前に売買システムで資産の運用に携わっております。
さて、これから講座で「儲かるトレーディング」を基本テーマに皆さんといっしょに考えていきたいと思っております。
実践システムトレーディング
実践システムトレーディング(1)
システムトレーディングの勧め
この講座を勧めるにあったって、先ず結論から申し上げることにしよう。為替のみならず相場で勝つためには、確固たるシステムの構築(自分で作ってもいいし、適当なものがあれば買ってもよいが)が最も肝要である。このことをよく頭に入れて今後の勉強を進めていきたいと思います。もうひとつ、この議論を進めていく上でお判りに難い点が多々出てくるものと思われますのでご質問等があればメールを頂ければできる限りお答え申し上げますのでご遠慮なく。
トレーディングのスタイルは大きく分けて2通りあります。(1)DiscretionalTrading (2)SystemTrading の2つであります。(1)は、新聞、雑誌、テレビ等の様々なメディアからの情報収集、自ら(時には他人の)経験、勘による総合的な判断によって売り買いを決定する。(2)は、チャート分析を基に売買を自動化(システム化)する。相場に対する基本認識としてチャートの形、動きが全てを語ってくれる。実際には、この(1)(2)をミックスしてトレーディングをなさっている方が大半である。
皆さんは、どのようにトレーディングをなされていらっしゃいますか?極論ですが相場の見通しなんて当たらなくてもトレーディングの仕方がしっかりしていれば相場というのは儲かるものです。
(1)のディスクレショナル トレーディング(以下DT) とは新聞、雑誌、テレビ等、様々なメディアからの情報に経験、勘といったものを加味して総合的に売買の判断を下す、というトレーディングの仕方です。相場というのは、何でも(魚でも野菜でも)最終的には需要と供給のバランスの結果です。この需要と供給が完全に把握できれば相場がわかったことになります。
皆さん、一人の人間は、どのくらいの情報を収集できるものでしょうか?仮にできたとして、その情報の相場に対する意味を正確に理解できるものでしょうか?答えは「ノー」です。具体的にお話しましょう。今、日本の経常収支が発表され大幅の黒字が計上されました。これだけなら明らかに円が上昇することを意味します。しかし、輸出業者は契約が成立した時点ですでにヘッジをしてるかも知れませんし、していないかも知れません。輸入業者はどうでしょうか?機関投資家はどのような対応をするのでしょうか、またはしているのでしょうか?いろいろな要素が複雑に絡み合ってきます。これらを全て掌握するのは無論不可能です。不完全な情報からの推論は決してよい結果を生みません。(次回は「経験」、「勘」についてお話します。)
(to be continued)
実践システムトレーディング(2)
「経験」、「勘」は、ほんとうに信頼できるか?
厳密な意味では「経験」と「勘」は違いますがマーケットではほとんど同じような意味で使われている場合が多いので一つにしました。それでは、「経験」、「勘」とは何でしょうか?一般論としては、何事かに直接ぶつかり、そこから得た技能、知識、直感(広辞苑)ということになりましょうか。長い経験、鋭い勘、私たちの耳には心地よく響きますね。問題は、その運用です。どこでポジションメークするのか?利食いは?損切りは?勝率は?予想される最大の損失は?等など相場を張る為にはポジションをマネージする為のいろいろな問題に答えなくてはなりません。新しい事業を起こす為にはマーケットリサーチが必要であり、費用はどのくらいか、製品はいくらくらいで売れば利益が出るのか、等いろいろなデータをもとにしてシミレーションをおこなって初めて新規事業を開始します。「経験」、「勘」というものは非常に曖昧で海図のない航海に似ています。これでは、安定的な収益を生み出すのは無理といえます。実際問題として、大半の人たちは、自分が経験、勘をもっているという幻想をいただいていると言っても過言ではありません。
経験や勘は検証できなければ意味はありません。
(to be continued)
実践システムトレーディング(3)
相場心理学・・・不安と葛藤
ディスクレショナル トレーディング(以下DT)の最大の弱点は、定性的、定量的に評価することが出来ない、という点です。相場を張る場合、知っておかなければいけないことがいくつか有ります。
1)ポジションを作るという決断の為の基準は何か?
2)どこで利食いを入れるか? どこで損切るか?
3)どのくらいの確率で勝てるのか?
4)予想される最大の損失は?
5)予想される利回りは?
等々、最小限このくらいの数字がわからなければなりません。わからないとどんなことが起きるでしょうか。不安という感情です。ちょっと手前味噌になりますが、システムトレーディングを志向する私にとっては、まるで闇夜の烏に向かって鉄砲を撃っているという感じで、とても相場を張る気分にはなりません。この「不安」という感情はとても厄介な代物であなたのトレーディングにいろいろな悪影響をもたらします。次回はこの「不安」という感情の分析です。
(to be continued)
実践システムトレーディング(4)
心理的不安の克服
前回、相場を張るにあたって最低限知っておかなければならない基本の数字、要素をお話しました(以後、これらを相場の基本原則と呼びます)。では、この相場の基本原則なしでポジション操作をおこなうとどのようなことが起きるでしょうか。相場を張る上での最大の敵である「不安」というやっかいな感情が心に巣くうことになります。売るか買うかの判断は新聞記事や周囲の人たちの意見に左右され、一度ポジションを作ると今度は損失の恐怖に怯えることになります。自分のポジションの方向とは逆の情報に接すると精神的葛藤に悩みます。これらを避ける為に無意識のうちに 1)自分に都合のいいようなことばかりを探そうとし、2)受け取った情報を自分のいいように解釈する、3)自分に都合の悪い情報を避けようとする。この心の動きが、いろいろなところで私達の判断力を歪める結果となります。システムトレーディングの最大の利点は、情報の洪水、損失に対する恐怖等に起因する自らのポジションの「合理化」を極力排除できる点にあります。よいシステムは、あなたの心と身体と財布を守ります。
(to be continued)
実践システムトレーディング(5)
システムトレーディングの基本
システムトレーディングの基本はチャート分析です。全ての情報は、相場自体の動きに包含されるという基本認識がその根底にありますので、相場自体の動き、つまりチャートを分析すれば相場の流れを掴むことができるということです。「正しい相場分析はニュースを呼び込む」、正しい方向でポジションを張っていると自分のポジションに有利なニュース、出来事が起こってくれると言う意味ですが、私の経験則からの自製の格言(ちょっとオーバーですが)です。
例えば、米国の経常収支の赤字幅が急速に拡大しているという状況を考えてください。日本の企業で深く貿易取引に関わっている商社、自動車、家電、石油会社といった大手企業は、会社としての為替リスク回避のため輸出入取引が成立した時点でなんらかのヘッジ取引を行うのが普通です。ニュースとしてこの事実が公表されるのは数ヶ月あとですが、この商取引の当事者は(この当事者の相場観を別にすれば)取引の確定した時点でドルを売るわけですから「米国、X月の経常収支の赤字大幅拡大」のニュースが出る以前にチャートはドルが下がるというサインを出していると考えたほうが合理的です。「正しい相場分析はニュースを呼び込む」は、マジックでも何でもありません。論理的思考の当然の帰結といっていいと思います。
(to be continued)
実践システムトレーディング(6)
為替取引の主体=ポジションの種類
話の筋道からするとちょっと寄り道ですが、マーケットをよりいっそう理解する為に為替取引きの主体(基になる商取引)の簡単な分析をしてみたいと思います。
1)経常取引・・・所謂、貿易為替です。輸出、輸入、及び取引に係わる保険等が含まれます。輸出では自動車、電機、精密機械等がその代表的な業種ですが、80年代半ばからの円高トレンドで打撃を被ったが為替レートの変動による損益のぶれを回避すべく生産機能の海外移転等で体力を回復(他の問題はいろいろあるが)、以前ほど輸出為替偏重ではない。取引の性格上、ポジションは一年以内の短期取引である。
2)資本取引・・・機関投資家、個人投資家による外債、外株投資(円売り)、及びそのヘッジ(円買い)。企業の直接投資やM&Aに係わる取引。1)に比べポジションは長期にわたり、量的にも経常取引を超える。機関投資家は80年代初めからの円安で大きな利益を得たがその後の円高でそれ以上の為替差損を被り、体力の低下もあってヘッジの比率を高めている。
3)投機取引・・・ヘッジファンドや銀行、証券会社による自己勘定による取引。純粋に相場の行方だけでポジションを張る。基本的には売ったら買い、買ったら売るので相場へのインパクトは小さいが、1)、2)の大きなフォローがあると無視できない力となる。
(to be continued)
実践システムトレーディング(7)
チャート分析=テクニカル分析
テクニカル分析の手法として大きく分けて二通りに分けられます。1)相場の推移を定
量的な指標(数値)に置き換えて、単独、又はその組み合わせを使って相場のトレンドを決定する。その代表的な手法に、移動平均、RSIなどがあります。2)相場の動きをパターン化することによってトレンドを読む。トレンドライン、ヘッドアンドショルダー、フラッグ等があげられる。それと、私は、これが一番有効であると思うのですが、この1)と、2)のコンビネーション。一目均衡表、エリオット波動理論がその代表格である。
例えば、システムトレーディングの代表格である移動平均であるが、トレンドフォロー型である為に相場に入るのが遅れがちになる、または止めるのが遅れることがよくあるが。パターンを組み合わせることによって、この欠点を補うことができるようになる。様々な分析手法が存在するわけだが、夫々に長所、短所があり、実際の相場に当てはめてテストする必要があろう。
(to be continued)
実践システムトレーディング(8)
移動平均線(1)
前回は代表的な分析手法を紹介しましたが、今週からは個々の分析手法の特徴、長所短所を見ていこうと思います。
先ず最初に、一番ポピュラーで皆さんもよく耳にする移動平均についてです。移動平均は、非常に簡単に作れシグナルとして売り買いがはっきり出てくるところに特徴があります。終値を使うのが一般的で、例えば5日の移動平均は、過去5日間の終値を5で割ればよい。これを毎日作っていくと5日の移動平均線ができあがる。トレーディングに使う場合は、2本(1本は短期、1本は中期又は長期)の移動平均線を使って、短期線が中長期線を下から上に切った場合は買いシグナル、上から下に切った場合は売りシグナルとなる。1本、又は3本の平均線を使う方法もあるが、私の研究では2本の、終値の単純平均がもっとも成績がよい。移動平均というと単純すぎてポピュラーすぎて馬鹿にされる方がよくいらっしゃるが、私はそうは思いません。寧ろ、手に入りやすく、作りやすく、尚且つ有効な指標の一つだと考えております。次週はもう少し詳しくこの移動平均法を見ていきたいと思います。
(to be continued)
実践システムトレーディング(9)
移動平均線(2)
先週、移動平均では、短期と中期(又は長期)の2本の線(終値、単純平均)を使うのが効率的であると述べましたが、今週は、これらの線が具体的にどのような成績をもたらすかみて見ようと思います。よく使われる日数は、5,7、10、14,21,90、200で、この組み合わせでパフォーマンスを見ていきましょう。限られた紙面ですので全部を組み合わせるのは難しいので、5日+10日と7日+14日の組み合わせで検証していきます。ドル円で過去10年のデータを使います。
利食い幅 損切り幅 結果
5日+10日 10円 1円 55.70円
7円 0.80円 82.00円
5円 2.00円 -6.20円
7日+14日 10円 2.70円 47.50円
7円 1.00円 -16.40円
5円 2.00円 8.00円
以上の結果になりました。一番いい結果は、5日+10日を使って利食い幅=7円、損切り幅=80銭ということになります。(例えば、120円丁度でドルを売った場合、113円を利食いのターゲットに、120円80銭を損切りとする)この方式で過去十年間の成績が82.00円、10万ドルのポジションで相場を張ったと仮定すると8千2百万円の儲けです。あくまで過去のテストの結果ですが、何も考えずにやるよりはずっとましだと思いませんか。
(to be continued)
実践システムトレーディング(10)
移動平均線(3)
さて前回は、2本の移動平均線で具体的にパフォーマンスを見てみましたが、より良いパフォーマンスを得る為に別の条件を加えることがよくあります。
その例として
・単純に2本の線が交差するのではなく、ある一定幅以上、上抜け(あるいは下抜け)
を要求する。
・交差したあと、2本の線の傾斜が同時に上向き(あるいは下向き)まで待つ。
・単純に、交差したら2−3日待つ。
・日々の実体腺が移動平均線を越える(あるいは下回る)。
他にもいろいろな条件が考えられる。ただ、一ついえることは条件のハードルを低くすると「だまし」に引っかかり易いし、高すぎると相場に乗り遅れる危険が生じるということである。あるいは、まったく別のテクニカル手法を絡ませるという方法もあるだろう。ポイントアンドフィギュアは、チャートブレイクのパターンを確認するのによく使われるが、これと移動平均線の交差を組み合わせるとことも考えられるであろう。
(to be continued)
実践システムトレーディング(11)
トレンド(1)
テクニカルトレーダーにとってトレンドの概念は必須のものである。テクニカルトレーダーが使うツールはほとんどがトレンドを分析し、これに乗ることを目的としている。トレンドには三通りあって、上昇トレンド、下降トレンド、横ばいトレンド(所謂、レンジ相場)である。相場の動きはけっして一直線ではなく、ジグザクに動き、山(レジスタンス)、谷(サポート)で構成される。上昇トレンドは、前回の山を越えて上昇し、次にくる谷は前回の谷(又は山)を下回ることはない。下降トレンドはその逆で、谷が、前回の谷を下回って形成される。横ばいトレンドは、山や谷が前回と同じようなレベルに形成され、ある一定期間繰り返されることをいう。テクニカルトレーダーが一番頭を悩まされるのが、この横ばいトレンドである。トレンドがないところにトレンドを追う為、往々にして、山に近いところで買い、谷に近いところで損切ることになる。この横ばいトレンドを如何に切り抜けるかが、よいシステムかどうかの分かれ道と言っても過言ではない。
トレーダーには、三つの選択肢がある。売る、買う、休むだが、横ばいトレンドでは休むが正解なのは明らか。問題はいつトレンドが始まるかがわからない為、上昇してくると上昇トレンドが始まるのではと買い、下がってくると売るわけで、この間のジレンマたるやたいへんなものである。横ばいトレンドをシステムに組み入れ「休み」のサインが出るようにシステムをより精緻にすること(言うのは容易いがこれが相当に難しい)が理想だが、それでもある程度の損失は免れない。私の考え方は、この間の損失は、次のトレンドに乗り遅れない為のコストと割り切ることにしている。
(to be continued)
実践システムトレーディング(12)
トレンド(2)
テクニカル分析においてトレンドは視覚的に決定できる。山と谷で構成される相場の動きのなかで、谷の部分を直線で結んだ時、右上がりの線が引け同時に山の部分も同じように右上がりになっている場合、上昇トレンドと言う。時間の経過と共に新たな山や谷が出てくるが山や谷は不思議なことに概ねこの直線上に乗ってくる。この直線をトレンドラインと呼ぶ。新たな谷が、この上昇トレンドラインを大きく割り込んだときには、そのトレンドが終わった可能性が高くトレンドを再検討するべきである。下降トレンドの場合は、山と山を結ぶ直線を描いてそのトレンドを決定する。時に、山と山を結ぶ直線の方向と谷と谷を結ぶ直線の方向が逆になり将来のある時点で交差することがあるが、これをフラッグ(旗のような図形になるから)と呼び、交差点に近づくにつれどちらかの方向にトレンドが出る可能性が高くなる。
具体例をあげると、2000年初めからのドル円の週足チャート(お手元になければインターネットで検索すればどこかにあります)を見てみよう。年初、102-103円でスタート後、11月半ばまできれいなフラッグフォーメイションを作り上にブレイク、108-109円近辺から翌年4月には126円台まで上昇している。02年の3月から上昇し始めたユーロドル、同年の年初からのユーロ円の上げなどもその一例で、かなり効果的なトレーディングサインと言える。ここでは、全て週足ベースのチャートを使ったが日足ベースでも同じことが当てはまる。皆さんも、ご自分でチャートを作るなり、どこからか調達して検証してみてください。
(to be continued)
実践システムトレーディング(13)
トレンド(3) =心理学的考察
今週は、相場の動きを人間の心の動きから考察してみたいと思います。いま相場が、サポートポイントでもみ合った後に上昇し始めた、あるいはフラッグフォーメイションをきれいに上抜けしたと仮定します。市場の参加者は以下の4種類に分けることができます。
1)幸せな人・・・既にどこかで買っている人
2)普通の人・・・まだポジションを持ってない人、トレンドが出るのを待っていた人
3)不幸な人・・・せっかく買っていたのにトレンドが出る前に売ってしまった人
4)最悪な人・・・トレンドが出る直前に売り持ちにしてしまった人
夫々の心の動きを分析すると・・・・
1)幸せな気分、せっかくトレンドが出たのだからまだ利食うのは早すぎる。むしろ、買
い増しのチャンスをうかがう。
2)待ちに待ったトレンドだ、さあどこで買うべきか。
3)悔しい、悔しい気分、「俺の相場観は正しかったのに・・・」。呆然とするも「でも
損したわけではない」と、ふんどしを締め直して買い場探し。
4)尻に火がついた。早く損切りして買いポジションにしなければ。
概ねこんなところではないでしょうか。こう考えると一人として売りたい人はいなくなります。実際のマーケットはもっと複雑ですが、売る人がかなり少ないのは事実です。買いのトレンドが出たから買う、これがマーケットです。あとから、いろいろゴタクを並べる人は多いですが。
(to be continued)
実践システムトレーディング(14)
数の不思議(1)
テクニカル分析ではよくいろいろな数を基にして議論を始めます。市場では公認と言ってもよい数字があります。例えば、「半値戻し(50%)」、「移動平均線の5、10,20,200日線」、「一目均衡表の9,26,52」等々です。今回の「数の不思議」では、常識と言われる数字が本当に効果的な物なのかを検証してみたいと思います。 先ずは「半値戻し」・・・上昇(又は下降)トレンドの山と谷をこなしていく過程でトレンド方向に逆行する場合、どの程度の戻しがトレンドを継続していく上で許容されるかという問題です。谷の深さ、山の高さの許容範囲です。一般的には、上昇トレンドでは前回の谷から山の高さの割合で議論されます(下降トレンドでは山から谷)。仮に、前回の谷が115円、山が120円とすると幅は5円です。市場でよく言われるのは1/3(33%)、1/2(50%)、2/3(66%)です。この場合に当てはめると、それぞれ、118.33、117.50、116.67となります。116.67を下回ると上昇トレンドに警戒警報が発令されます。結論を申し上げますと、この「数字」は当てにして良いと思います。チャートをチェックしていただくとお判りになりますが、上昇トレンドでの谷の深さは凡そこの数字に当てはまります。
(to be continued)
実践システムトレーディング(15)
数の不思議(2)
今日は、数の不思議其の二として移動平均でよく使われる「5,10,20,25,75,200」です。SuperGokuh実践為替講座(10)で(5,10)の組み合わせを試してみましたが、同じ組み合わせでも利食いと損切りをどうするかによって成績に大きな違いが出てきます(もう一度確認してみてください)。この点がシステムトレーディングの最も重要な点です。ポジションをつくった後のマネージメントこそがパフォーマンスの良し悪しを決めると言っても過言ではありません。
次にそれぞれの成績を見ていきます。移動平均をシステムに使う場合は有名なグランビルの8法則というのがあるのですが、これは成績の判定がかなり複雑になりますので、ここでは簡略化して単純に短期線が中期線(又は長期線)を上から下に切るときを売りサイン、下から上に抜ける時を買いサインとします。
利食い幅 損切り幅 結果
5日+10日 10円 1.00円 64.10円
5円 1.00円 52.20円
3円 1.00円 26.10円
5日+20日 10円 1.00円 31.70円
5円 1.00円 12.80円
3円 1.00円 20.10円
5日+25日 10円 1.00円 48.30円
5円 1.00円 40.60円
3円 1.00円 29.90円
10日+25日 10円 1.00円 47.40円
5円 1.00円 32.10円
3円 1.00円 47.40円
以上の結果となりました。5日+10日(10円+1円)の組み合わせがベストの成績をたたき出しました。結論から申し上げますと「5,10,20,25,75,200」の組み合わせは為替に限って言えばよい組み合わせではありません。いろいろ検証してみましたがベストの組み合わせは通貨によって異なり、成績も上記の組み合わせと比較する
と格段の相違となっております。
(to be continued)
実践システムトレーディング(16)
一目均衡表(1)
チャート研究家一目山人の考案による一目均衡表は、氏の永年の研究の末得た基本数値を基に、特異な形状のチャートを特徴としている。また、パソコン等でも(手でも)比較的簡単に作図できるところから一般化し、その信奉者も多い。近年個人投資家のみならず機関投資家、一部外国人にも注目されている。私自信も、システムの構築に、大いに勉強させてもらっている。
チャートの基本は、基準線、転換線、遅行スパンと先行スパンで、特に先行スパンは、現在の相場に先行して描かれ、近未来の相場の変動予測の一助としている点は他のチャートに見られないユニークなものである。あまりご存知ない方のために、簡単に個々の基本線の説明をすると・・・・
1)基準線・・過去26日間の高値と安値の中間値
2)転換線・・1)と同様に過去9日間の高値と安値の中間値
3)遅行線・・当日の終値を26日遡ってプロット
4)先行スパン
上限・・基準線と転換線の中間値を26日先行させてプロット
下限・・過去52日間の高値と安値の中間値を26日先行させてプロット
雲・・上限,下限の2つの先行させた線の間を塗りつぶしたもの、塗った形の
形状が雲に見えるところから雲と呼ばれる
それぞれの線の値の計算は非常に簡単であり皆さんもご自分で作って見るか、インターネット上で親切に作られているものもありますので参考になさるといいと思います。
次回は、また為替に当てはめ検証してみましょう。
(to be continued)
実践システムトレーディング(17)
一目均衡表(2)
さて、一応の一目均衡表の説明が済んだところで、また過去10年のドル円のチャート
で検証してみることにする。
比較的わかり易い売買のシグナルとして、
1)基準線と転換線の交差、移動平均線の場合と似ているが転換線が基準線を下から上にクロスした時を買いシグナル、上から下にクロスした時を売りシグナルとする。
2)遅行線を使って、当日の終値が26日前の終値(いろいろな値と比較できるが、ここではわかり易く終値とした)を上回った時を買いシグナル、下回った時を売りシグナルとする。
以上の2つが考えられるが今日は、あまり検証されていない2)の方を見ていきます。
バックテストをして最適な利食いと損切りを求めると、利食い=3.20円、損切り=3.00円で、トータルの損益は、プラス 102.50円でした。次のテストでは、比べる対象としている(26)という数字に焦点を当てみました。1日ー50日までテストしてみましたがこの売買システム上の最適な数字は(18)でした。つまり当日の終値と18日前の終値を比較して最適な利食いと損切りを求めると、利食い=3.30円、損切り=3.20円で、トータルの損益は、プラス 140.00円でした。最終損益がずいぶん違ってきますね。普通の一目均衡表の解説書では(26)をそのまま使っていますがこれでは良いパフォーマンスが出るとはかぎらないわけです。検証して自分で納得することが大切です。
(to be continued)
実践システムトレーディング(18)
一目均衡表(3)
今週は、先週お話した 1)基準線と転換線の交差、移動平均線の場合と似ているが転換線が基準線を下から上にクロスした時を買いシグナル、上から下にクロスした時を売りシグナルとする。を検証してみたいと思います。
バックテストをして最適な利食いと損切りを求めると、利食い=4.30円、損切り=3.90円で、トータルの損益は、プラス 98.60円でした。2)と比較するとだいぶ落ちますね。そこで売り買い別々に最適な利食いと損切りを求めてみました。
売り・・利食い 11.20円 損切り 1.50円
買い・・利食い 9.30円 損切り 3.70円
トータル損益は 134.87円 でした。売り買いをいっしょにした時と比べて利食いも損切りも数字がずいぶん変わってきます。もちろんトータル損益も大幅によくなりました。勝率も50%を超えています。これでしたら使ってみるのも面白いですね。
(to be continued)
実践システムトレーディング(19)
一目均衡表(4)
今週は雲の使い方について、お話しします。もう一度「雲」=先行スパンの確認です。
先行スパン
上限・・基準線と転換線の中間値を26日先行させてプロット
下限・・過去52日間の高値と安値の中間値を26日先行させてプロット
雲・・上限,下限の2つの先行させた線の間を塗りつぶしたもの、塗った形の
形状が雲に見えるところから雲と呼ばれる。
この先行スパンという考え方は、過去の相場の動きを基に、現在の相場の位置、将来の動きを視覚的に予測、又は予測の一助とするという、他のチャートにはみられない「一目均衡表」特有のものです。基本的な考え方としては、雲を形成する全ての要素を「抵抗線(帯)」又は「支持線(帯)」と認識します。相場が雲の上にあると上昇局面、下にあると下降局面となり、この両極面が26日間先行させて描かれた雲にどう関わってくるかで将来の相場を予測することになります。相場が雲の上にあるが、少しずつ下がり近い将来雲とぶつかりそうになる場合を想定してみましょう。ここでは、このまま下がり続けるのか、リバウンドしてもう一度上昇気流に乗るのかが問題になってきます。下がる為の第一ハードル(支持線)が雲の上限となり、ここ下の抜けるかどうか?第二ハードルは雲全体(支持帯)となり、最後の関門が雲の下限となり、ここを抜けて初めて下げ局面となる。実際には、雲に加えて、遅行線、基準線、転換線等との関係から総合的に判断するのが望ましいと考えられます。
(to be continued)
実践システムトレーディング(20)
一目均衡表(5)
一般に「一目均衡表」というと、その特徴的なチャートの形だけを論議しがちですが、他にも重要な部分があります。「値幅観測法」といわれ、今までの相場の動きをもとに将来のプライスを予測するものです。これによって、相場の中で一番難しいとされる「利食い」のおおよその目途を立てるわけです。計算方法は大きく分けて4種類、V計算値、N計算値、E計算値、NT計算値。今、相場が上昇局面にあると仮定してそれぞれを説明していきます(下降局面はその逆とお考えください)。前回の谷をA(ドル円=120円)、前回の山をB(123円)、今回の谷をC(122円)として今回の山がどのくらいになるかを計算します。
V計算値 = B+(B−C)=124円
N計算値 = C+(B−A)=125円
E計算値 = B+(B−A)=126円
NT計算値 = C+(C−A)=124円
以上のようになります。どの計算値をどの場面で使うかは明確ではありませんが、いろいろ当てはめて大体の目安をつけてみるという感じでいいと思います。目安が見つかるだけでも役に立つと思います。
(to be continued)
実践システムトレーディング(21)
一目均衡表(6)
今日のテーマは時間(日柄)です。一目均衡表の基本は、先ずチャートの形を分析し相場の流れ、転換点を模索する。流れが決まったら、「値幅観測法」で目標値を設定、今日のテーマである日柄との関連で次の転換点を探る。簡単に言えばこのような流れであると考えています。日柄を計測するための数値が基本数値であり、「単純基本数値」と「複合基本数値」に分けられます。「単純基本数値」は一目山人氏が永年の研究の末到達した「一目均衡表」のエッセンスともいえるもので、特徴あるチャートを作成する時にも使われている「9」「17」「26」がこれにあたります。それぞれが独立した価値をもつものとされ相場のサイクルを表しています。「複合基本数値」は基本数値の組み合わせで「33」「42」「52」「65」「76」「129」「172」「226」等になります。
相場の流れがはっきりとした時点で、出発点から「値幅観測法」で目標値を決め「基本数値」を使ってその目標値がいつ頃(日柄)達成されるかを見ていきます。「相場の流れがはっきりとした時点」は残念ながら相場は既に始まってしまっているのですが、底値で買ったり、天井で売れたりすることは不可能なのですから気にせずアタックしてみてください。日柄と目標値がおおよそ掴めていれば、その後の戦略がかなり有利になるはずです。
(to be continued)
実践システムトレーディング(22)
一目均衡表(7)
前回、日柄計測の為の基本とも言うべき「単純基本数値」についてふれましたが、今週は、これが為替市場でどの程度の意味を持つかをバックテストによって検証していきます。
先ず、10/28の本講座で使った基準線と転換線の交差による売買シグナルで、「9」「26」の有効性について見ていきたいと思います。例によってドル円の日足を使います。結果から申し上げると、過去10年のデータを使ったところベストの組み合わせは、売りも買いも「9」「26」とぴたり一致、驚きました。期間をもう少し短縮して5年間にし、ドル円だけでなくポンドドル、ドルスイス(ユーロドル、ユーロ円はまだデータが少なすぎる為省略)でみたのですが、「9」「26」にはならず「単純基本数値」風に言えば「6−8」「12−17」「24−36」となりました。「複合基本数値」を含めると近い数字と言えないこともないのですが、皆さんはどうお考えでしょうか?悪く言えばこれだけ数字を並べれ(「単純基本数値」プラス「複合基本数値」)ばどこであたるもので、評価が分かれるところでしょう。ご参考までにドル円のベストパフォーマンスは、売りが「8」「16」、買いが「17」「36」の組み合わせでした。
(to be continued)
実践システムトレーディング(23)
一目均衡表(8)
8回にわたり一目均衡表について述べてきましたが、今日はそのまとめです。
一目均衡表は、その形状と近い将来の予測の手段を視覚的に提供してくれるというきわめてユニークな特徴を持っています。先週は「悪く言えば、これだけ数字を並べればどこで当たる」などと悪口を言いましたが、コンピューターのない時代によくこれだけの分析おこない「単純基本数値」や「複合基本数値」を割り出したものだと感心させられることばかりです。時間的なサイクルを現在及び近い将来の相場予測に導入した点も優れた感覚の表れです。先行スパンは過去の相場推移を基に26日間先行させ近い将来の相場予測を助けるものであり、遅行スパンは過去の相場と現在の相場を比較して現在の相場の方向性を導き出すものです。よくマーケットでは、日柄、日柄と言われますが、これだけはっきりと、具体的に、システム化したものは他に類を見ないものです。
ローソク足と、5種類の補助線、基本数値、値幅観測法、様々な要素がぎっしりと詰まった「一目均衡表」。複雑なだけに、これを極めるにはかなりの努力と熟練が必要となりますが、是非がんばって勉強してください。必ずお役に立つはずです。
(to be continued)
実践システムトレーディング(24)
ちょっと一服
いつも「実践システムトレーディング」をご愛読いただきましてありがとうございます。今までいろいろなシステムを紹介しながら、私の相場哲学(システムトレーディング)を述べさせていただきましたが、お役に立ったでしょうか?
私のシステムも今年大幅な改良を加え徐々にではありますが良くなってきました。しか
し、まだ改良すべき点がいろいろあると云うのが現状です。最大の課題はレンジ相場を如何に乗り切るかです。システムトレーディングの場合、どのようなシステムを使うにしろ
ある程度流れが出てきてからシグナルが出るのでレンジ相場の局面では高値買いの安値売りになりがちで、当然、損益はマイナスとなります。レンジ相場でマイナスが出ても流れがはっきりした時にはプラスとなりますのでトータルでプラスが出ればレンジ相場のマイナスはコストと割り切ると云うのも一考ですが、レンジ相場が長期にわたった場合は、そうも言えなくなります。昨年の私のシステムがまさにその例でシグナルを公表し始めて初めてネットでマイナスという結果になってしまいました。昨年9月ごろからシステムの見直しを行い今年はまずまずのスタートとなりました。これからも皆様のご期待に応えるよう努力していく所存ですのでよろしくお付き合いいただければ幸甚です。
次回からは、為替をやっていく上での基礎知識みたいなものをお話しし行きたいと思っております。また、「こんなことが知りたい・・・」みたいなものがありましたらどうぞご遠慮なくメールをいただければと思っております。ご期待通りのお話ができるかどうか自信がありませんが精一杯がんばりますので宜しくお願いいたします。
実践システムトレーディング(25)
為替市場とは(1)
皆さん、為替市場とは、何処にあって、どのように機能してるんだろうって考えたことがありますか?今回から数回にわたって為替取引きの実際をわかり易く説明していこうと思います。
為替市場は株式市場と違って立会い場があるわけではありません。皆さんのインターネット取引、銀行窓口での海外旅行者の取引、輸出入取引、資本取引等さまざまな取引が通信回線を通して有機的につながり一つのマーケットを形成しています。地域、時間に関係なく世界中が一つになって取引がなされる巨大なマーケット、そこにはインサイダー取引の入る余地などない非常にフェアーなマーケットがあります。強いて株の立会い場に近いものを上げるとすれば為替ブローカーでしょう。相場が荒れたときによくテレビに映るあれです。現在でも為替ブローカーは存在しますが、ITの技術革新によりその機能はコンピューターベースのものに置き換えられています。世界中のプライスメーカー(相場を出す人)が同じブローカー画面を見ながら顧客に対して相場をクオート(出す)するので世界中のドル円の相場が一つになるわけです。
(to be continued)
実践システムトレーディング(26)
為替市場とは(2)
為替市場の全ての機能が一つに集約されているのが銀行のディーリングルームと云われる所です。ディーリングルームは為替市場の縮図であり、様々な取引が行われ瞬時に何が起きているのかわかるような仕組みになっています。ここでお断りしておきますが「瞬時に何が起きているのか」わかるということは「儲かる」と同義語ではありません。過去の例でもわかるように大きな損失を出した銀行、機関投資はいくらでもあります。
ディーリングルームは通常、顧客担当とインターバンクに分かれています。顧客担当者は顧客から注文を受けるとインターバンクにつなぎます。インターバンクは銀行間の取引市場で頻繁に取引をおこなっていて、インターバンクディーラーは注文を受けて銀行の売り(顧客の買い)ならば、なるべく安く、買いならなるべく高くその銀行間市場を使って注文をさばきサヤをとって銀行は利益を追求します。先週お話しした為替ブローカーも銀行間市場の構成員の一つです。インターバンクディーラーから受けた注文を他の銀行のディーリングルームにつないで取引のスムーズな成立に一役買うわけです。この仕組みは万国共通でニューヨークやロンドンでも同じ、主要なマーケットは高度な通信回線でつながれていますので世界中単一のマーケットが実現できるわけです。
(to be continued)
実践システムトレーディング(27)
為替市場とは(3)・・・為替市場の役者たち(1)
為替市場は、大きく分けてホールセールマーケットとリーテイルマーケットの二つです。リーテイルマーケットは貿易業者や機関投資家(最近は個人の為替取引も急増している)を中心とした実需や投機的取引を指し、ホールセールマーケットは銀行のディーリングルームや為替ブローカーを中心とした言わば市場のブローカー的機能をはたし、リーテイルマーケットの円滑な取引の成立を補完する役割を担っています。
為替レートは如何にして決まるか?野菜や魚の値段が需要と供給で決まるように、外貨も市場の需給で決定されます。豊作や豊漁、買い意欲の減退(供給過多)で価格が下がり、不作や不漁、買い意欲の増大で価格は上昇するのと同じ理屈です。為替市場を分析するとは為替市場の需給を分析することに他なりません。市場には時々刻々、様々なニュースが飛び込んできます。そのニュースが為替の需給にどう影響を与えるのかという視点で考えることが大切です。例えば、今「日本の貿易収支黒字、大幅増加」のニュースが流れたとします。貿易収支の黒字幅増加は外貨の供給が大幅増加することを意味していますから為替レートに対する影響はドル安円高であることは明らかです。相場を考える基本動作として、常に「お金の流れ」、「外貨の需給」に結び付けてニュースを読む力が必要です。
(to be continued)
実践システムトレーディング(28)
為替市場とは(4)・・・為替市場の役者たち(2)
リーテイルマーケットの主役の一人は輸出入業者と商社です。輸出では、自動車、電機、精密機械、輸入では石油、食品等が代表的な業種として挙げられるでしょう。例えば、自動車メーカーが対米輸出契約を取り結んだとすると、その時点で為替リスクが生じます。メーカーは為替レートを予測して、そのレートを基にコストを計算して売値を決定しますので、もしドルが大幅に下がると手取りの円金額が減少しひどい時にはコスト割れとなって損失を被ります。ドルが上がれば、その逆に為替差益として予想外の利益が生ずることになります。メーカーは不測の事態に備えて(ドルの下落)前もってドルを売ってリスクを軽減することをヘッジといいます。大きなメーカーは契約ごとにヘッジをするのではなく年間の輸出成約高を予想して、決まった割合をヘッジするすることによってリスクを軽減しているわけです。輸出メーカーのヘッジ売りは為替市場に対して大きなドル安円高要因として注目されています。輸入の場合はその逆で円高が彼らの利益となります。
円相場の歴史は大半が円高の歴史で、その都度輸出メーカーはたいへんな苦労をしてきましたので、為替リスクを軽減する為のいろいろな方策をとっています。ドルによる部品を輸入したり、ドル建ての債券を発行することによって(ドルの債務をつくる)ドルの債権のネットを減らしています。
(to be continued)
実践システムトレーディング(29)
為替市場とは(5)・・・為替市場の役者たち(3)
次の役者は主役中の主役、機関投資家です。70年代後半の為替の実需原則の撤廃から始まった為替の自由化は資本市場の活性化に大いに役立ち、自由な「お金」の流れは為替市場に多大な影響力を持つようになりました。国際収支の一部門に資本収支という項目がありますが、日本と日本国外との間の「お金(資本)」の出入りを表しています。
生命保険会社、損害保険会社、投資信託等が代表的な機関投資家で、ジョージ・ソロスで有名なヘッジファンドもこのジャンルに含まれます。生保や損保は加入者から保険料を徴収し、不慮の事故、死亡時に保険金を払うわけですが、その徴収した保険料を運用して配当金を支払わなければなりません。その運用の一環として外貨建て運用があります。運用対象は主に株や債券で、特に昨今の低金利では外貨建ての運用がいっそう重要になり、その巧拙が会社の業績を左右することになります。郵貯や簡保は公的機関ですが、生保や損保同様に外貨建ての運用をおこなっておりマーケットを動かす主役の一人です。
(to be continued)
実践システムトレーディング(30)
為替市場とは(6)・・・為替市場の役者たち(4)
代表的な機関投資家で、忘れてならないのが投資信託です。今、個人に大人気の外貨建てMMFはこのジャンルに入ります。運用対象によって様々な投資信託が設定されて、多くの資金を集めています。運用対象は、その目論見書に明記されており、国内外の株、債券が主な運用対象です。もちろんここでは外国ものに焦点を当ててお話しすると、為替の観点からはヘッジつきとヘッジなしに分けられます。ヘッジつきは、先物で対象外貨を売って為替リスクを小さくするわけですが、その分パフォーマンスが犠牲になります。ヘッジなしは、為替リスクは全て投資信託を買った人が負担することになりますが、パフォーマンスは100%享受できます。
機関投資家の為替市場での第一歩は当然、外貨を買うことから始まります。外貨の買いポジションと云う為替リスクが発生し、以前にもお話ししたリスクマネージメント=外貨建てのパフォーマンスを享受しながら為替リスクを最小限に抑えるという非常に難しい、しかし、巧くやれば外貨建てパフォーマンス+為替益という願ってもない結果を生み出すオペレーションです。
(to be continued)
続きはこちらです。
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この改行が大事だったりする→
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