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実践トレーディング講座(2)-2

トレーディング講座を始めるにあたって

本講座はトップページに書いた「トレーディング哲学」をより詳しく、よりわかり易くお話しするのがその主旨です。1975年から相場の世界に足を踏み入れ、以後いろいろな金融機関のトレーディング部門を経て、現在、自前に売買システムで資産の運用に携わっております。
 さて、これから講座で「儲かるトレーディング」を基本テーマに皆さんといっしょに考えていきたいと思っております。

実践テクニカル分析

テクニカル分析−エリオット波動理論(1)
 今週から、相場の世界では”エリオットウエーヴ”の名で広く親しまれているエリオット波動理論について為替相場に当てはめて考えてゆきたいと思います。 エリオット(1871−1948)は、もともとレストランと鉄道を専門とする会計士で、健康上の理由から退職後、株式相場の世界に入りました。1946年、彼の死の2年前に、波動理論の決定版とも云うべき”自然の法則--宇宙の神秘”を書き上げました。彼の理論は、ボルトン、フロストと引き継がれ、フロストの著した”エリオット波動原理”は、今日、エリオット理論の決定版とされ広く読まれている。株式相場から始まったエリオット理論は、金利、商品市場、為替市場と様々なマーケットで相場師たちのバイブル的存在となっている。
 多くの方々がエリオット波動理論を難解で難しいと感じているが、理論の原理は実際にはかなり単純なもので、単純であるからこそ真理をついているのかもしれない。
 為替で儲けることを主眼にじっくり検証していこうと思っております。
(to be continued)

テクニカル分析−エリオット波動理論(2)
 エリオット波動理論は、もともと株価平均、ダウジョーンズ工業平均に適用されるものであった。この理論を単純化すると、株価のどのようなサイクル(短期,中期,長期)をとっても、五つの上昇波とそれに続く三つの下降波という合計八つの波のリズムで反復を繰り返すというものである。もう少し詳しく云えば、相場が上昇する場合、まず第一の上昇波(これをA波)、次にA波に対する調整がきて下げ(これをB波)、再び第二の上昇波(これをC波)、C波に対する調整波(これをD波)、第三の上昇波(E波)、ここから相場は下げ始め(F波)、F波に対する調整波(G波)、第二の下降波(H波)、合計八波でサイクルの完了である。下げ相場ではこの逆を考えればよい。エリオット波動理論には、パターン、比率、時間の三つの重要な側面があり、上記のパターンが最も重要とされている。エリオットは、短期から長期まで九つのタイムサイクルに分類しているが、どのタイムサイクルをとっても八つの波のパターンサイクルは不変としている。つまり、相場の動きは全てこの八つの波の組み合わせと説明できるのである。
 次回はこの最も重要される八つの波を、為替相場で検証してみる。
(to be continued)

テクニカル分析−エリオット波動理論(3)
 今回は、波動理論の基礎を使って為替相場を検証するつもりであったがイレギュラーな部分が多く、もう少し詳しく波動理論を勉強してから検証に移ることにする。 
 前回は、エリオット波動理論(以下、波動理論)の基礎=八つの波、をわかり易く説明する為にアルファベットA−Hを用いたが、通常波動理論では上昇局面の場合、上昇波の5つの波を1−5、それに対する調整波の3つをA−Cで表す。それぞれの波の特徴を上昇局面を想定して簡単に説明する。先ず第1波は、下落した相場局面で底固めの一部として出現する。通常は、小反発程度、小さく短いが、大きく長いときは要注意、相場の転換点の可能性がある。第2波は、調整波で第1波の全て、乃至大部分を戻す。結果、ダブルボトムやトリプルボトムと云ったよく知られているチャートパターンを形成する。第3波は、いよいよ本格的な始動である。通常、最も長く、力強い動きを示すだけに、様々な変化形が生まれ、”エクステンション”と呼ばれるヴァリエーション等もこのときに起こりやすい。ほとんどのシステムが買いシグナルを示し、ニュースが相場についてくる場面である。
(to be continued)

テクニカル分析−エリオット波動理論(4)
 第4波は、第2波同様に調整波である。エリオット波動理論には、オータネーションの
法則という重要な法則がある。相場は通常2度連続して同じ動きはしないということである。もし調整波2が、単純なパターンであれば、この第4波は変則的なパターンになり、調整波2が複雑であれば、第四波は単純なものになる。第5波は、通常第3波ほどの力強さはないが、第3波が比較的おとなしい場合にはその限りではない。相場もここまでくるとオシレーター系の指標は買いすぎ、行き過ぎを警告し始める。
 相場の調整局面では、A、B、Cの3波に分けられる。A波は、それまでの上昇相場に
対する最初の大きな調整局面である。たいていの買いポジションはこの局面で投げることになる。B波は、新しい下降トレンドの調整波、買いポジションの手仕舞い、乃至売りポジションを作るチャンスでもある。所謂、ダブルトップもこの時に形成される。C波は、トレンドの終了を意味する。売りシグナルが出始め、第4波とA波のボトムで有名なヘッドアンドショルダーを形成することがよくある。
(to be continued)

テクニカル分析−エリオット波動理論(5)
 ここまでは、エリオット波動理論の基本を理解していただく為に単純化して話しを進めてきましたが、実際の相場の動きはそれほど単純ではないのは御存知のとおりである。ここからは、様々なバリエーションの中で、重要と思われるものについて説明していくことにします。
 先ず、エリオット波動理論の重要な概念の一つ”エクステンション(拡張)”である。先週同様に、相場の上昇局面を想定して話しを進めていくが、エクステンションとは、1波、3波、5波の推進波の一つが単純な直線ではなく複数の山を伴う、尚且つ、この複数の山を伴う波は、1、3、5波のうちの一つに限られる。または、同じような値幅、サイクルで3波以上の推進波を伴って相場が上昇していくというものである。もう一つエリオットが指摘している重要なポイントは”ダブル・リトレイスメント”とよばれるものである。5波でエクステンションが起きた場合、それに続くA、B、Cの調整波で、先ず5波のエクステンションの開始点まで下げ、その後、5波のエクステンションの終点までラリー(上昇)するということである。
(to be continued)

テクニカル分析−エリオット波動理論(6)
 先週は、推進波のバリエーションである”エクステンション”について説明しましたが今週は”ダイアゴナル・トライアングル(斜行三角形)”と”未達成”についてです。 ”ダイアゴナル・トライアングル”は通常最後の第5波において現れ、ウエッジパターンとして知られており、上昇局面では常に弱気のシグナルである。右上がりに三角帆の形を形成し、徐々に一点に向かって収束し、最後は最初の大きな調整波であるA波につなが
る相場の重要な転換点である。相場がある程度煮詰まってきてマーケットの心の揺れを示しているものと思われる。
 ”未達成”も、やはり第5波で現れ、波の規模が小さな場合は特に珍しいことではない。第5波で、第3波のトップを越えることに失敗し、そのまま調整波に移行する。よく知られるダブルトップやダブルボトムを形成することになる。達成されるべきものが達成されない(”未達成”)というジレンマが相場を反転させるもので、やはり重要な転換点であろう。
(to be continued)

テクニカル分析−エリオット波動理論(7)
 今週からは、A,B,C,で表示される調整波についてお話しします。一般に調整波は定義がはっきりしていないため、確認や予告が難しいのですが、一つだけ明確な点があります。一つの例外(トライアングル)を除くと、調整波は三つの波で構成され、五つの波で構成されることは無いという点である。言い換えれば、調整波が三つを超えた場合、それはトレンドが変化したと考えてよい。
 調整波には、ジグザク、フラット、トライアングル、ダブルスリー(またはトリプルスリー)の4種類がある。ジグザクは、調整波の基本形、中間波Bは、A波の始点まで戻ることはなく、最後のC波の終点はA波の終点を超えて動く。A、B、C波、それぞれが5波−3波−5波の小さな波を伴って出現することもよく知られている。上昇局面では、ここから再び上昇に向かうのだが、仮に三つの調整波を超えて相場が動いた場合は、それはもはや上昇相場ではなく、下降局面に入ったと考えてよい。ここで、一つ疑問なのはA波が小さな5波を伴う場合、最初の3波で調整波の終了と取り違える可能性があると云うことである。結論から言えば、相場の波のスケール(大、中、小波)をどこに置いて相場を見ているかによるものと思うしかないが、注意を要しよう。
(to be continued)

テクニカル分析−エリオット波動理論(8)
 調整波、ジグザクではA、B、C波、それぞれが5波−3波−5波の小さな波を伴うことをお話ししたが、フラットでは3波−3波−5波となる。一般にフラットは地合の強さを表しており、上昇局面では値固め、さらに一段の上昇力を示すものとされる。下降局面では、もう一段の下落を意味する。通常のフラットは、強気相場の場合、B波でA波のトップまで上昇し、C波はA波のボトム近辺まで下げる。ボトムを大きく割るジグザクとは異なる。変化形として、B波がA波のトップを超え、C波がA波のボトムを割り込むものやB波がA波のトップに達するものの、C波がA波のボトムに到達しないものがある。ランニング調整は、フラットのなかでも地合が非常に強い場合に起きるもので、B波は、はっきりA波を超え、C波のボトムが推進波の最後である5波の上に位置するというもの。それだけ上昇力が強いと解釈できよう。
(to be continued)

テクニカル分析−エリオット波動理論(9)
 同じく調整波であるトライアングルは二本の直線の間を相場が上下する動きである。トライアングルが成立する最低条件は上下に2点ずつ直線に接することだが厳密に考えることはない。通常、第4波で発生するが、調整波(A,B,C波)のB波でも起こりうる。二本の直線の傾きから、上昇型、下降型、対称型、及び拡散型に分けられ、トレンド最後の推進波、第5波に先んずることからトレンド最終ターゲットを暗示するという意味もある。
 為替市場でもトライアングルはよく起こる現象である。ドル円では、2000年初から秋にかけての三角持合(対称型トライアングル)、2000年後半から2001年にかけてのユーロドル、ユーロ円(共に対称型トライアングル)、他にも散見されるが、どうも第4波とは考え難いものが多く、その点株式市場とは異なっているのかもしれない。寧ろ、トレンドの出発点の色合いが濃く、トライアングルを抜けてから大きな動きに移る可能性が大きいように見える。
(to be continued)

テクニカル分析−エリオット波動理論(10)
 調整波の最後はダブルスリー、トリプルスリーと呼ばれるもので、簡単に云えばレンジトレーディング、レクタングル(方形)、つまり持ち合いである。一定の幅で上下するトレーダー泣かせのパターン、エリオット的に云えば調整波A−B−Cが同じ値幅で2回乃至3回繰り返すということになる。レンジ相場の局面では、往々にして上で買って下で損ぎる(または下で売って上で損ぎる)というポジション操作になりがちで、トレーダーの精神衛生上非常にストレスが溜まる。かといって、レンジ相場と割り切り何もしないと相場がレンジを抜けた時についていけないことになる。今までのレンジを抜けたのだから買えばいいのだが、新高値で買うのは心理的にそれほど簡単ではない。去年の夏のドル円相場が正にこれ、108−112円を繰り返している。これが仮にダブルスリーならばもう一回繰り返すことになる。私の場合は、レンジ相場での損は、新たな相場展開で利益をあげるためのコストと割り切りことにしている。トレーディングには精神的タフさが要求されるのは論をまたない。
(to be continued)

テクニカル分析−エリオット波動理論(11)
 エリオット波動理論にはオータネーション(交替)の法則という規則がある。簡単に云えば相場は通常2度連続して同じ動きはしないということである。特定のパターンやフォーメイションが出現したら、相場はしばらくの間同じような動きを繰り返すことはない。ここでは、特に2波、4波の調整波についてだが、波を単純な波と、ジグザク、フラット、トライアングルといった複雑な波に分けると、2波で単純波の場合は4波が複雑な動きを示し、2波が複雑波の場合は4波が単純波となる。
 エリオット波動理論では、波の数え方、つまり現在の相場が1−5波、A−C波のどこに位置するかを特定するのが非常に重要な意味をもっていることは今までの説明でおわかりのことと思う。ただ、実際に特定しようとしても、物事はそれほど簡単ではない。エリオットは、波を数える方法の一助としてプライス・チャネルを提唱している。プライス・チャネルは古くからあるチャート技法の一つだが、上昇トレンドが確立したところで、第1波と第2波の底を結んでサポートラインとし、このラインと平行させて第1波のトップからチャネルラインを引きこれをレジスタンスラインとする。相場は往々にしてこの2つのラインの間をジグザグに進みながら上昇トレンドを辿る。このラインに接したところがその後の波のトップ、またはボトムとなる。
(to be continued)

テクニカル分析−エリオット波動理論(12)
 皆さんはフィボナッチ数列というのをご存知だろうか。13世紀のイタリアの偉大な数
学者、フィボナッチが発見した数列で、1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144と無限に続く数列である。
 この数列は、いろいろな興味深い特性を有し、その一部を紹介すると・・・・
 1)二つの連続する数字を足すと次の数字に一致する。
   たとえば、2+3=5、5+8=13、34+55=89という具合である。
 2)最初の4っつの数字以降、次の数字に対する割合は0.618に接近する。
   5/8=0.625、8/13=0.615、13/21=0.619となる。これらの比率    はその誤差を縮めながら0.618に近づく。同様に、前の小さい方の数に対する比   率0.618の逆数である1.618に近づく。一つおきの数字同士の比率も0.812  、若しくは2.618に近づく。
この他にも、いろいろ面白い特徴があるが、ここではこのくらいにしておく。この1.618や0.618という比率は黄金率とか平均率と呼ばれ、古代ギリシャやエジプトでも建築や音楽に使われていることから厳密にはフィボナッチが発見した物ではないが、エリオットは自身の著作”Natures Law”で、このフィボナッチ数列が彼の波動理論の数学的基礎となっていると述べている。
(to be continued)

テクニカル分析−エリオット波動理論(13)
 波動理論が三つの側面、波形、比率、時間から成り立っていることは既に述べた。最も重要な波形についてはかなり議論してきたので、次は比率(フィボナッチ比率)と戻りの関係について考えてみる。この関係は価格と時間について適用できるが価格の方が信頼性は高いとされる。
 前述した通り、一つの完成した波形サイクルは5つの上昇波と3つの下降波、合計8つの波に分けられる。それぞれの波は、トレンドと同方向は5つに、逆方向は3つに分解されて、波の数の合計はフィボナッチ数となる。これには、いろいろ異論があって、私自身ドル円のチャートを使って検証してみたがフィボナッチ数にあわせるのは非常に難しいと云う印象である。ここでのテーマは戻し比率なので話しを戻す。相場というのは上昇局面でも下降局面でも上下を繰り返しながら進むが、ここでの議論は底から天井、山から谷の比率である。この比率を使って、相場の最大(あるいは最小)目標値を算出するのである。ポイントの数値は0.618と1.618である。
(to be continued)

テクニカル分析−エリオット波動理論(14)
 今回は、フィボナッチ比率を使って、推進波および調整波における目標値の設定をするための主な規則について述べてみようと思う。(いずれも相場が上昇トレンドにあるという前提)
1)第3波のトップ位置の最小目標は第1波の高さに1.618を掛けたものと第2波の底との和になる。
2)第5波のトップ位置は第1波の高さに3.236(1.618X2)を掛け、これに第1波のトップを加えたものが最大値、底を加えたものが最小値となる。
3)C波の長さは、A波に0.618を掛けて、その結果をA波の底から引けばよい。
4)シンメトリカル・トライアングルにおいては、各波は前の波に0.618を掛けたものとなる。
 目標価格を推測する方法として、パーセンテージ・リトレイスメントがよく使われる。例の、半値(50%)戻し、1/3(33%)戻し等であるが、これらもフィボナッチ比率のバリエーションであることは間違いないが、これらの数値は普通の生活感覚で身についているもので(フィボナッチさんに教えて頂いたものではない)、古代エジプトやギリシャでも使われたところをみると自然界、人間界を支配している摂理と密接に係わっているのかも知れない。
(to be continued)

テクニカル分析−エリオット波動理論(15)
 今日は、波動理論とサイクル(時間)の関係についてお話ししてみたいと思う。基本はやはりフィボナッチ数列である。重要な転換点、天井や底から次の転換点まで、時間的にどの程度の日数を見るかは相場予測の上で非常に重要な点である。天底の間隔(または天天、乃至底底の間隔)を8日、13日、21日・・・、または8週、13週、21週・・・ といった具合に実際に数えていくのである。私は、ドル円の週足では22週サイクルと云う数字を使っているが、これも21と1違うだけである。ドル円の週足を見ていただきたい。2001年から2003年にかけて大きなヘッドアンドショルダーを形成しているが2002年初の天井と前後の谷がちょうど21週ずつの間隔で並んでいる。これは、この数列がよく当たっている好例だが、実際はそれほど簡単ではない。あとで数えてみると適合する数字は多々あるが、我々が必要としているのは、今の相場がサイクルのどこにあるかである。エリオット波動理論における時間の問題はこの辺がはっきりされていないのが欠点であると云える。
 因みに、私は、ユーロドルの週足では35週サイクルを使っている。ご参考まで。
(to be continued)

テクニカル分析−エリオット波動理論(16)
 まとめ
 エリオット波動理論の最も重要なポイントであるパターンは5つの推進波と3つの調整波であることはおわかりいただけたと思います。この基本中の基本を使ってドル円のチャート(過去10年の日足)の検証を試みたところ、困った事が起きた。波動の天底が非常にわかりにくいのである。きれいに8つの波で1サイクル完了しているとわかるところは稀で、どこが1波で、どこが2波なのかよくわからないというのが正直な感想である。トレーディングにおけるチャートの効用は、相場の方向性や現在の相場がトレンドの中でどのような位置を占めているかを推測するために役立つということにある。相場が終わった後からパターンがわかっても意味がないのである。エリオット波動理論は、元来、株式市場のダウ平均を分析することから始まっているので他のマーケットでの有効性を疑問視する人は多いが、私はそこまで云うつもりはない。どのチャートも万能ではない、相場がすべてエリオット波動理論どおりに動いてくれたらこんな楽なことはないのである。
 まとめにならないまとめで恐縮だが、もう少し時間をかけて研究してみたいと思っています。皆さんは、どうお考えになりますか。





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