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実践トレーディング講座(2)-3

トレーディング講座を始めるにあたって

本講座はトップページに書いた「トレーディング哲学」をより詳しく、よりわかり易くお話しするのがその主旨です。1975年から相場の世界に足を踏み入れ、以後いろいろな金融機関のトレーディング部門を経て、現在、自前に売買システムで資産の運用に携わっております。
 さて、これから講座で「儲かるトレーディング」を基本テーマに皆さんといっしょに考えていきたいと思っております。

実践テクニカル分析

坂田五法と為替相場(1)
 このところ蒸し暑い日が続いておりますが、皆さん如何お過ごしですか?
 さて、今回から新シリーズとして「酒田五法」を取り上げてみたいと思っております。
そもそも「酒田五法」とは、八代将軍吉宗の頃(18世紀はじめ)、現在の山形県酒田市で生まれ、米相場で百戦連勝、相場の神様と言われた「本間宗久」の「本間宗久翁秘録」を原典としております。まあ、言ってみれば神様「本間宗久」の米相場研究を現代風に読み替えたものと思ってよいと思います。特にチャート面が強調されており、戦後、株式市場や商品市場で持て囃されるようになりました。ローソク足を使い、その形状やパターンを分析して相場を予測するというものです。当時の日本の米先物市場は世界で最初にできた本格的な商品先物市場で、そのチャート研究も世界に先んじたものと言われております。江戸時代のチャート研究が戦後の株式市場で生かされましたが、果たして為替市場で、どのくらい使えるものかを検証するのが本シリーズの目的です。参考文献として「酒田五法は風林火山」(日本証券新聞社)が入門書でその道のバイブル的存在です。ぜひご一読ください。
 余談になりますが、本原稿を書き始めてから酒田に墓参りに行ってまいりました。驚いたことに、当地酒田では本間宗久翁のことをご存知の方はほとんどなく、懸命にお墓を探したのですが結局見つからず、代わりに本間家宗家の代々の菩提寺に御参りして来ました。「本間宗久」の生家は「本間様には及びもないが、せめてなりたや殿様に」とうたわれたほどの日本一の大地主で、その財力は当時の石高で24−25万石あったといわれています。この現物(米)を背景として、酒田、堂島、江戸の米先物市場で「出羽の天狗」の異名をとるほど活躍し巨万の富を築き上げました。果たして、彼は為替市場でも巨万の富を築くことができるでしょうか?
(to be continued)

坂田五法と為替相場(2)
 先週紹介した酒田五法の定番である「酒田五法は風林火山」(日本証券新聞社)が説明もわかり易く、よくまとめられているので、これに沿って為替相場での有効性について検証していくことにいたします。使用するチャートはドル円(1992-2002年)の日足といたします。
 攻防の分岐点と急所(1)
 カブセ線・・・前日かなり長い陽線を出したのち、前日の終値よりも上放れて高寄りしたあと反落し前日の陽線に食い込み陰線となって大引けした。「相場が相当に上伸した所に出現すれば”ドテン売り越し”を敢行する急所」とさ れる。
・「相場が相当に上伸した所」というのはかなり曖昧な表現だが、一応10円以上の上げ場面を想定すると、過去10年間で7回のカブセ線が出ている。このうち本間先生の言う通りとなったのは3回である。損切りをうまくすればかなり取れると言える。ついで だが「相場が相当に上伸した所」以外でも形だけは実現した回数は28回、2-3円の損切りで4-5円くらいを狙うと、かなりの確立で勝てることがわかった。想像していたよりははるかによい成績である。
結論・・・以上の検証結果からすると、「カブセ線」が出たら次の日の寄り付きで売る。
     損切りは2-3円、利食いは4-5円くらいが堅いところ。
(to be continued)

坂田五法と為替相場(3)
攻防の分岐点と急所(2)
大赤線・・・・ヒゲを除いた実体部分(始値と終値の差)の非常に長い陽線、長大陽線とも言う。「非常に長い」というのは漠然としているので、ここでは前20−30日の値幅と比べて視覚的に非常に長いと感じられる線とする
 大黒線・・・・大赤線と同じだが、こちらは長大陰線のこと
・上記の2線は相場の非常に活発な動きを示しており、何らかの重要なシグナルを送っているのは間違いない。私は、検証のため3種類に分類してみた。
 1)長いことは長いが、それ以前のレンジ内に収まっている。
   これは、とりあえず無視したほうがよさそう。
 2)相場がある程度揉んだ後に、それ以前のレンジを抜けて上放れ(又は下放れ)して出現したもの。
   これが一番大事、次の方向を決定すると言ってよい。
 3)相場の方向性がかなりはっきりしている中で出現したもの。
   これが一番複雑な動き。トレンドの最後の動きとなるケースが多いと思われる。
   動きが荒いだけに心もポジションも振り回される。
結論・・・2)が出現した時は素直について行くこと。それ以前のレンジからはかなりかけ離れているので心理的に売りにくい(買いにくい)ところではあるがやってみる価値は十分にあると思われる。3)は、寧ろ利食いのサインと考えたほうがよいだろう。
(to be continued)

坂田五法と為替相場(4)
攻防の分岐点と急所(3)
 寄せ線・・・・寄り付きと同値で引け十字になる線。酒田秘法では「攻防の分岐点」、「天底の暗示」とされています。(参考・・使用している日足チャートは東京午前9時寄り付き−NY午後5時引け)寄せ線の定義では寄り引け同値となっておりますが、ここでは3銭以内として議論を進めていくことにします。ヒゲは長い、短いといろいろありますがこれは無視することにします。
・最初に寄り引けの差が5銭で見てみたがかなり多くて相場のサインとしては使いにくいので差は3銭で見てみた。「天底の暗示」だが、どのくらいの天底を言うのか曖昧だが、これは当たっていないと見るのが公平であろう。ただ、調べてみて気がついたのだが、これが出ると、上か下かははっきりしないが一週間以内に相場がよく動くようになる。ほぼ50%以上の確立で4−5円以上動くことがわかった。損切りは浅めでいいようだ。本間翁はこのことを言ったのかもしれません。寄せ線については使えそうなので次回もう少し詳しく調べてみたいと思います。
結論・・・寄せ線が出たら出動開始と心得よ。
(to be continued)

坂田五法と為替相場(5)
攻防の分岐点と急所(4)
 先週の定義に基づく寄せ線の出現回数は87回であった。このうち、持ち合い相場、乃至は三角持ち合いの場面での出現が26回で、これは無視すべきであろう。本間翁謂うところの「天底の暗示」は4回で確率的には低い。特徴的なのは、「天底の暗示」の4回も含めて31回、特徴以下のとおり・・・・
 ・持ち合い場面での26回を除く61回で出現後、1−7本(本は日足)以内に相対的にかなり長い陽線又は陰線が出る。このうち31回は4−5円以上の動きを伴っている。ほとんどの場合、長い陽線が出れば上昇、陰線ならば下落を示し、どちらかというと長めの陽線の出現で上昇といったケースの方が多いと言える。

坂田五法と為替相場(6)
休むも相場
 「投機には売り、買い、休むの三法あり」と酒田三法では述べられている。俗にいう「休むも相場」である。相場を毎日見ていると、持合が続いた時とか、相場が微妙な分岐点を迎えていると思われる時が必ずある。例えば、三角持合いの頂点に近くなって、どちらかに動くことはわかるが上がるのか、下がるのかわからないことがある。わからないのだから休む、要は自分に正直になれということです。方向観が出てからでもたいていは遅くない。わかったような顔をして見栄を張るのが一番危険です。私の場合、システムに随って相場を張るのでそう意味での迷いはあまり無い。システム自体が「休め」と言ってくれるからである。相場は上がるか下がるか二つに一つだから、やって当たることもあるだろうが私の経験では外れることのほうが多いようだ。休んで頭の整理をしたり、過去のトレーディングを分析したり、やることはたくさんある。外に出てリフレッシュするのも良いだろう。皆さん、くれぐれも相場馬鹿にならないように気をつけてください。

坂田五法と為替相場(7)
寄り切り線
 陽線なら寄り付きが安値で下にヒゲのない線である。俗に”陽の寄り付き坊主”ともい
って、なお上値暗示のかなり強い線とされる。陰線なら寄り付きが高値で、そのまま下値波乱になって引ける線をいう。俗に”陰の寄り付き坊主”ともいって、下値暗示の弱い線とされる。いずれも比較的長い線をいい「寄り切り線は酒田の命也」と本間翁は断言している。高値で”陰の寄り付き坊主”が出れば「売りの決定線」、安値で”陽の寄り付き坊主”が出れば「買いの決定線」となる。
<検証>
 残念ながら”陰の寄り付き坊主”には決定的な意味は見出せなかった。高値圏での出現の回数も少なく、これを手がかりに売りポジションを取る気にはなれない。「かぶせ」の方がずっと使える。
 ”陽の寄り付き坊主”のほうは話は別だ。”陽の寄り付き坊主”が出た次の日の寄り付きで買うとするとほぼ6割の確立で当たる。今回は厳密に寄り付き=安値で、ある程度の長さのある足と限定したが1−3銭くらいの下足を含めるともっと成績が上がるはずだ。上昇トレンドがはっきりしている時の”陽の寄り付き坊主”に気をつけよう。

坂田五法と為替相場(8)
たくり線
 寄り付きから安く、大きく突っ込むが急反発して引ける(下影の長い陰線)。一ヶ月くらい下げたところ出るのが本物とされ、深い井戸から水桶をたくり上げる力(この場合は上昇力)の出現を意味し、相場の転換近しを暗示する。
<検証>
 過去10年間で、この定義どおりの「たくり線」は一度も出現していない。但し、少し条件を緩くすると11回を数える。
 緩くした条件
1)実体(寄り付き−終値)が極端に短ければ陽線でもよい。
2)寄り付きが前日の終値とほぼ同レベルでもよい。
この条件でいくと11回、損切り2円、利食い4−5円で7勝4敗である。ただ、10年
で11回というのはちょっと頻度が少ない。

坂田五法と為替相場(9)
抱き線
 抱き線は俗にツツミとも言い、前日の値幅を包む大黒線または大陽線。上昇場面の上の方で出たら天井、下げ相場の下で出たら底の暗示。組み合わせが重要で前日が陰なら大陽線=底、陽なら大黒線=天井と解釈したい。
<検証>
先ず、出現回数だが(幅の狭い線同士の組み合わせは無視)、1)陰線+大陽線=33回に対して、2)陽線+大黒線=16回と陰線+大陽線の回数がほぼ倍くらい多い。1)、2)ともに損切りを2円としてその成績を調べて見た。
1)勝率は66%、内2−5円くらいの中勝ちは16回、5円超の勝ちは6回。
2)勝率は75%、内2−5円くらいの中勝ちは7回、5円超の勝ちは5回。
かなり良い成績だと思われます。今回は厳密に定義どおりでケースを抽出しましたが、定義どおりではないがかなり近い形や以前に検証した物との組み合わせを考えると、かなりいい線をいくシグナルだと思います。ぜひ活用してみてください。
(to be continued)

坂田五法と為替相場(10)
はらみ線
 本間宗久翁いわく、「投機をなす者は楽悲を戒む」。相場を張る上で楽観、悲観は禁物である。人間の心は弱いもので相場が利に乗っているときは気が大きくなり楽観的になり、油断も生まれる。ひとたび相場が逆に動こうものなら一変に悲観的に変わる。平常心を失った結果、相場に対する的確な判断ができなくなることを堅く戒めたものである。「実践システムトレーディング」の方で再三述べたことことだが、ポジションマネージメントを如何に上手くやるかが不必要な心の動揺を防ぐキーポイントである。
 さて、はらみ線だが、先週の抱き線と長短が逆で前日の値幅のなかで寄り引けした足で、変化の前提とされる。「陽の陽はらみ」や「陰の陰はらみ」とは上昇力や下がるエネルギーが終わりに近づいていること示している。
<検証>
為替市場の場合、株と違いほぼ24時間連続しているので、所謂「陽の陽はらみ」や「陰の陰はらみ」はほとんど出てこない。ポイントは下降局面で出る「陰の陽はらみ」のようだ。下げ局面があるていど続いた後、比較的長めの陰線に比較的短めの陽線が前日の陰線の下部に出るくらいがよい。かなりの確率で相場は上昇する。
(to be continued)

坂田五法と為替相場(11)
アテ線、入り首線、差し込み線
アテ線・・・・・・前日の線から下っ放れて寄り付き、前日の安値で止る陽線。
入り首線・・・・アテ線がさらに伸びて、前日線に首をいれて(実体まで戻して)引けた線。変化の激しいところに現れる。追撃売りの急所。但し、この線を下回ったところから追撃をかける。
差し込み線・・入り首線の実体がより長いもので同じく追撃売りの急所。
<検証>
過去10年で、定義どおりにいくと上の3線合計で8回しか現れていない。そのうち4線で追撃売りが成功している。検証していて気がついたが、前日の陰線にもう少し上に食い込む陽線はちょうど「カブセ」の逆の形をしており、「逆カブセ」は下げ相場では反転のサインとして認識してよいのではないか筆者は考えている。つまり、この3線に逆カブセを入れて、売りではなく買いシグナルとし、この線の安値を切った場合ドテン売りをするのがよいのではないか思います。
(to be continued)

坂田五法と為替相場(12)
三羽烏
 三羽烏・・・・一ヶ月以上相場が上伸したところで陰線3本が”ツタイ”で連続する形。崩落の前兆、一ヶ月以上は下落するとされる。
<検証>
過去10年で2回出現、回数が少なすぎるのでなんとも言えないが2回とも下落に転じている。
二つ(三つ)星・・相場が上伸または下落途上で小短線(極線)がかたまって出るもの。上伸途上なら次の上放れが買い増しの急所。下落局面なら次の下放れが追撃売りの急所になる。
<検証>
レンジ相場の局面は除くが、上昇,下落両局面で、本間翁の言はほぼ正しいといえる。以前に説明した寄せ線もこの小短線の一種だが、この場合は「天底の暗示」でやはり攻防の重要な分岐とされている。相場が動いている局面での小短線には注意を要する。
三手打ち・・・高値からジリ貧、下落する相場で、にわかに長大陽線を出し、その前の3日間を包んだ。いかにも強そうで買いたくなるが、実は戻り売りの急所。
<検証>
上げ相場が横ばいから下げに転じたようだと感じる程度の場面がいいようだ。3日間でなくてもそれに近い戻しは要注意、一度売ってみてもよいのではないでしょうか。確かに買いたくなるが、相場の方向が本当に下ならポジション的にも面白い。




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